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名前 ページ13

「2人一緒に来るとは……ずるいね!」


「ズルかありません。たまたまです。」


「あはは………」


タクシーで向かったのは、駅から少し離れた路地にある、レンガ調のイタリアンレストラン。

巴さんがお気に入りの場所らしく、入っただけで奥の個室に通された。

な、何者?



「Aさん、何飲まれます?あれ、未成年でしたっけ?」


前方に座ってた漣さんが、メニューをこちらに向けてくれた。


「はい……18です。」


はえ〜、そうだったんすね!?と漣さん。
そんなに驚くことかな…?と首を傾げていると、奥に座っていた乱さんが口を開く。


「Aさんは、大人っぽく見えるからね。私もてっきり成人していると思っていたよ。」


「そ、そんな。ウジウジしてるし、雰囲気も暗いし。騒がしくないからそう見えてるだけだと思いますよ。」


「そんなことないっすよぉ〜。でも、今日は俺らのレッスン見てた時は、年相応って感じでしたね。」


にやにやと、自分のグラスを傾けながらからかってきた。
く、………は、はしゃぎ過ぎたか………。


「ジュン、からかうのはやめなさい。……自分はウーロン茶にしますが。相原さんは?」


「あ、じゃあ、私も七種さんと同じで。」



もうひとつのメニューを見ながら、七種さんが店員さんを呼ぶ。と、同時に、巴さんが「ねぇ、」と声を出す。


「?殿下、どうされました」


「なんで茨ってAちゃんのこと苗字で呼ぶの?
Aちゃんはぼくらのこと苗字で呼ぶし…」


「………………」


それを聞いた七種さんはハァ…とため息をつく。


「仕事仲間だからに決まってるじゃないですか。」


「仕事は仕事でも仲間は仲間だね!ほら、ぼくだってAちゃんのこと名前で呼んでるし?Aちゃんも、ぼくらのこと名前で呼んで欲しいね!」


「え、あ、う………そ、そう言われましても」



「ねえねえ〜」と駄々をこねる巴さんを尻目に、七種さんは店員さんに注文を始める。

一通り注文し終わったあと、くるりと私の方に顔だけ向けた。


「…………前菜は自分のと同じでよろしかったですか?

…………Aさん。」


「………へ」

「あ!茨!Aちゃんのこと名前で呼んだねえ〜!!」


ニマニマ笑う巴さんと対照的に、固まる私。


「………何も言わないということは、承諾ということでしょうか。」

「お、同じ、同じので!…茨さんのと……」



沈黙。
な、なにこれ、なんの時間………!?
恥ずかしいんだけど……!?

違和感→←コーヒー



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斉藤ちく(プロフ) - ちびさん» コメントありがとうございます。とても励みになります!細々とですが続けていきたいです。ちび様もご自愛ください! (6月9日 19時) (レス) id: 43e5963b91 (このIDを非表示/違反報告)
ちび(プロフ) - はじめまして!いつも楽しく拝読しています。展開もドキドキワクワクで…とても楽しみにしております。雨が多く、ジメジメする時期ですが…ご自愛ください。これからも応援しています☆ (6月9日 7時) (レス) id: 190d57c004 (このIDを非表示/違反報告)
斉藤ちく(プロフ) - あめみやさん» コメントありがとうございます。ツンデレ茨からしか摂取できない栄養、ありますよね…。 (6月8日 14時) (レス) id: 771595aedb (このIDを非表示/違反報告)
あめみや(プロフ) - ツンデレな茨もまた良き (6月5日 22時) (レス) @page37 id: a179dcb416 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:斉藤ちく | 作成日時:2023年5月4日 18時

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