11-2 ページ36
土井半助先生の部屋にお邪魔する。
土井半助先生は早速部屋に入ると、カサカサと引き出しを探しだした。
……ふと思ったが豆腐って本当は胃に優しい食べ物だよな。……なるほど。いいものだとは言え摂りすぎは毒になるってやつか。……身に染みて理解した。
なんて考えていると土井半助先生が振り返る。
「あったぞ。ほら。お茶でも入れようか？」
『あ、なら私が……』
「まぁまぁ。」
『いえ、本当に、……自室に戻ったらちゃんと飲みますので』
「……そうか？」
土井半助先生が座り、私もいただいた薬を胸の懐にしまう。
「……で、きり丸のことだが……」
『えぇ、実は……』
初日の日、彼を怒らせてしまったこと。
私の一言で彼を傷つけてしまったこと。
細かく、できるだけわかりやすく、あったことを伝えた。
土井半助先生はその間もずっとうなづいて黙って聞いてくれていた。
全てを話した私は土井半助先生の顔色を伺う。
……。複雑な表情だ。
「茗荷先。」
『はい。』
「すまなかった！！！」
へあっ！！！？あ、謝られた！？な、なんで！！！？
『な、なんで謝るんすか！！！』
「……きり丸は過去に戦で色々あってきたやつなんだ。まだ幼いし、戦の過酷さを知っても戦のことを知らないんだ。
忍びとしての私の教育が甘かった！！」
……ま、まぁ。正直、忍術学園は忍者になるための学び舎だ。戦で一喜しても一憂する暇なんてない。……しかも戦を商売とする仕事なんだ。
命懸けの仕事に�猗瓩靴き瓩箸��牴聴チ朖瓩箸�は不要なんだ。
忍者として必要なやつは出世し、不必要なやつは堕ちて朽ちて死んでいく。どんな手段でもいい生きて行かなければならない。それが忍びの世界。
……だから摂津のきり丸が私の言葉を聞き、怒った理由が分からなかった。
「だけど」
『へっ？』
「茗荷先。本当に、本当に……何もおもわないのか？」
『……腕とか、顔のことでよね？。……えぇ。何も思いません。
ただ、ヘタこいたなとか、うわ…めんどくさいなと思っただけですよ』
まー、言わば教訓だ。
かなり高い授業料だったけど……忍びの世界の厳しさを知った出来事だ。初心に帰らないと行けなかったんだ、うん。
「いや……、そうか。……しかし私が言いたいことはそうでは無い。……当時の君は、今の君が何も感じなくなるほど後悔して、挫折して、屈辱を味わって……」
……あーぁ。やめてほしい。
当時の事なんて……思い出させないで欲しい。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 89人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みみ - 主人公が大好きだー‼︎(失礼しました) (2023年4月4日 12時) (
レス) @page49 id: e0ef26ab3b (このIDを非表示/違反報告)
わそ姉大好きリスナー - 急に下ネタ出してごめなさい、(^^ω)やはり、滝夜叉丸かわええ (2023年1月27日 0時) (レス) id: 888b3d648c (このIDを非表示/違反報告)
わそ姉大好きリスナー - 滝夜叉丸､､､それは、おっ〇いだぁ！ (2023年1月27日 0時) (レス) @page49 id: 888b3d648c (このIDを非表示/違反報告)
おじい(プロフ) - この度、読んでいただきありがとうこざいます。誤字や感想意見などお待ちしております (2020年9月11日 13時) (レス) id: 28025032a9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おじい | 作成日時：2020年9月2日 21時
