僕の恋愛のお話。【実話】

告白 ページ8

僕は彼に、全てを打ち明けました。





僕には、好きな人がいること。


その好きな人は、女性だということ。



叶わない恋をするのに耐えられなくなって、彼女を忘れようとして


彼の告白を受け入れてしまったこと。



彼のことを好きになれて、僕はバイセクシャルだと気づけたこと。


それでも、どうしても彼女のことが忘れられなかったこと。


彼とは、恋人にはなれないこと。





本当に最後の最後まで、良い人でした。


今まで騙していたも同然の僕のことを、ジェンダーのことを打ち明けても軽蔑することもなく

自分が利用されていたにもかかわらず「がんばれ」とまで言ってくれました。




結局、今はもう連絡もとっていませんが、彼がリアルで付き合いのある友人の中で

初めてカミングアウトをした相手になりました。




彼は、最後に僕にこう言ってくれました。




「本当に申し訳ないって思ってるなら、彼女のこと、お前なりにでいいから幸せにしろ。

それが辛くても、好きになったんならどうしようもないだろ。

最後まで、自分の気持ちに責任を持て。」




そこで僕はようやく自分の気持ちに気が付きました。






僕はずっと、彼女から逃げたかった。

僕が知っている誰よりも可愛くて、綺麗な彼女から。



好きで好きで仕方がなくて、それでも叶わない恋をし続けることを選んだ。



いつかは諦めなければいけない、そうわかっていても

彼女のことしか好きになれなくて。



いつかは僕から離れて、彼氏を作るであろう君を見たくなかった。



僕には絶対できないことを、他の男がしているのを見るのが嫌だった。



僕の知らない彼女を、他の男が知っていることが嫌だった。




すべての始まりは、僕のこの汚くて醜い、片想いでした。




こうして僕は、新たに自分のジェンダー”バイセクシャル”を自覚し、

彼女を僕なりに、幸せにしようと覚悟を決めました。

僕と彼女のその後。→←最低人間

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す