僕の性別のお話。【実話】

家で、生き辛い ページ7

初恋をして、セクシャルマイノリティについての知識をある程度身につけ、自分が何者なのかをぼんやりと理解し始めた高校1年生の頃。


僕は、女の子らしい格好をすることに限界を感じていました。

歳を重ねるごとに増していく嫌悪感と、自分が好きな服を着たいと思う気持ちはどんどん強まっていきました。




今まで服装にはあまり興味を持たず、親の言うとおりの服を着て生きてきた僕にとって、
自分の好きな服を着たいと言うのは
自分のジェンダーを打ち明けるのと同じくらい、勇気が入りました。


女の子らしい格好が嫌いというわけではありません。

着るのは自分じゃない、と感じているだけ。




なのに、そのことを伝えるとものすごく色々言われてしまいました。


「女の子なのに、可愛い格好をしないの？」

「あなたは男の子になりたいの？」



挙句の果てには、ふざけて


「いいよ、お母さんはあなたがそうだとしても、受け止めるよ？ｗｗｗ」


などと笑いながら言ってきました。
でも、それは心からの本音ではなく、

『本当は、違うんでしょう？』

という確信をもっての言葉でした。



ふざけてる。
とてつもなく腹がたった。自分が、他の性的少数者の方が、馬鹿にされているみたいで。
それから、そうだ、と胸を張って言えない自分にも。



きっと、家族に自分のジェンダーを打ち明けても、理解してくれない。




今まで薄々感じてきたことを、身を持って感じた日でした。




もう、自分の好きなことを追い求めるのは止めよう。




この日、僕はまた一つ、自分の居場所を失いました。

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