1羽 ページ1
鞄のふわふわしたボンボンのストラップが跳ねる無音にも近いゴサゴサした音。
一年履き潰した少し底が削れた革靴は、トントンと軽快にステップを踏んでいる。
そしてそのステップに合わせる様に浮く、おき勉により内容量が軽くくなった学校指定のレザー生地の黒い、可愛いストラップがちらほら見えるリュク。
学校指定外の甘いピンクのパステルカラーのセーターは毛玉一つなく完璧に設備がなされていた。
さて、ここまで聞いて貴女はどんな子を思い浮かべただろうか。
ふわふわ系の可愛いJK?メンヘラっ気溢れる病みかわ女子?
人に寄っては低身長のメンヘラ女子力オバケの男の子とか考えてたりするだろう。
だが現実は、178cmくらいの巨大な男子であった。
高校2年の男子の平均身長を大きく上回っている。
それがこんなコーデをして華麗にスキップしながら花跳ばしてるんだから、正直「キツイ」としか言いようがないのだが。
その青年の美貌やふわっとした緩んだ表情のおかげか、まぁまぁ様になっていた。
周りの目もこの一年で見慣れたからか、特に寄ってくる事はない。慣れって怖い。
強いて言うなら、新しく入ってきた一年生がチラチラと物珍しそうに見てくる程度だろうか。
あと数人の通行人。
でもまぁどうせすぐに見飽きるだろう。人とはそういうモノだ。
さて、此処等でこのキッツイコーデかましてる糞見たいにでかいふわふわDKの紹介でもしよう。
何故か イチゴ・オレ とか大それた女子力高いモノを自動販売機で買い落としてるコイツは工藤琥珀。
好きな色は薄めのピンクとライトブラウン。
誕生日は8月9日。
最近イライラする事はテストの時に名前書くだけで無駄に時間を消費する事。
今年で17歳になる華のDKである。
紙パックの置いてある、それなりにレア度の高い自動販売機から買収したイチゴ・オレの頭に口でくわえて真っ直ぐに伸ばした備え付けのストローを刺し、チューチューと吸いながら歩く姿はそこらの女子よりか様になっていた。
さて、もう一度紹介をしよう。
工藤琥珀。16歳。身長178cmの高身長女子力オバケの男子高校生。
そして俺、水谷幸太の中学からの腐れ縁で繋がった悪友だ。
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作者名:初夏卵 | 作成日時:2019年2月27日 21時