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別れ。 ページ9

海織side

志麻とお出かけした日の数日後。

今日は、志麻と何出来るのかなとワクワクしながらいつもの浜辺で歌を歌う。

だけど…その日志麻は来なかった。

不思議に思いながらも家に帰る。

次の日もその次の日も浜辺に来たが、結局志麻は来なくなってしまった。


『……志麻』

それから一年経っても、相変わらず私はその浜辺に訪れ涙を流す。

志麻、どうして急に居なくなっちゃったの…。

皆…っ皆…私の前から居なくなってしまう。

こんなに、傷つくなら最初から志麻と友達になんてならなければ良かったのかな……。

『うぅっ…ヒグッ…グスッ……志麻っ、志麻ぁ……!!!』

お母さん、私どうすれば良かったの?

人間と友達になんてなれる訳なかった?

その時、ふと手首に付けてある貝殻とパールのブレスレットが目に映る。

涙で視界が滲みながらも、夕日の光に反射して貝殻がキラキラ輝く。

ううん……そんな弱気になってちゃダメ…!

きっと志麻には訳があったのよ。

優しい人だから、何も言わずに居なくなる訳無いの…。

ただの妄想でしかない。

でも、自然とその考えがしっくりと来た。

今、私の出来る事はこの浜辺で志麻が来るのを待つ事よ。

きっと…志麻はこの浜辺にまた来てくれる。

『志麻、私ずっと待っているから。

だから…戻って来てね……』

独り言みたいな呟きを零す。

…私まだ志麻とやりたい事沢山あるの。

それに志麻が居なくなって初めて気づいたんだよ?

志麻にこんなに心を許していたなんて。

自分でもびっくりしている。



ねぇ、志麻言ってくれたよね。

"どうしたら、声出しもせずあんな遠くまで響く声出せるん?"

って。

私、毎日歌うから。

どれだけ志麻が遠くに行っても私の声が届くように。



それから、数年の月日が流れた__。

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作者名:柚香 | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2020年6月18日 22時

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