broken emotion IV (ページ36)

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184《arioka》ページ36

有「よいしょっと…」

知念を知念のベットに寝かせ、下に降りた

降りると高木や中島がひかるくんと伊野ちゃんを抱えていた

高「あれ？Aちゃんは？」

有「山田を連れてきてもらおうと思ったんだけど…」

やっぱり起きなかったかな？

有「ちょっと手伝ってくるわ」

さっき停めた車の方へ走っていく

俺だって無傷ではないけど、みんなの役にたたないと…

有「Aちゃ……ん…」

Aちゃんの姿が見えて呼ぼうとしたが、その声は彼女に届く前に消えた

山田とAちゃんが抱きしめあっていた

しかも山田は泣いてるっぽい

有「邪魔したら…ダメだよな」

ここは空気を読んで来た道を引き返した

高「あれ？2人は？」

有「良い感じだったから置いてきた」

高木は頭の上にはてなマークを浮かべてたけど気付かないふり

有「伊野ちゃん達は？」

中「あ、今寝かせてきました！」

高「知念と伊野尾くんがあれだと診れる人がいないね」

有「そうだね…」

高「…有岡くん？」

有「ん？」

高「どうかした？」

有「へ？」

高「なんか暗いよ？」

そりゃあ大事な皆がこんなになって…

悲しまないわけ…ない…よ…

高「有岡くん？」

有「…俺、伊野ちゃん達みてくるわ」

"皆が傷つけられたから"

だから悲しいはずなのに

俺は高木にそう言えなかった

有「はぁ…」

階段を上がろうとため息をつけば、山田がAちゃんに支えられながら帰ってきていた

有「あ…」

「遅くなってごめんね」

有「…いや、全然」

山「大…ちゃん……ごめ…ん…」

2人はそのままリビングに入っていった

＿＿＿ｽﾞｷﾝ

なぜか心が痛む

血が滲む腕をみて悲しみがわいてきた

俺は…何かしてあげられただろうか？

あんな状態の山田に助けられて…

Aちゃんにも銃を取られて助けられて…

しまいには山田は悪くないのに謝られて…

有「俺、なんのためにいるんだろ…｣

涙が込み上げてきた

誰にも見られないように伊野ちゃんの部屋にはいる

寝ている伊野ちゃんは苦しそうで

だけど俺はなんもできなくて…

有「俺って本当にダメだな…」