そうだ、作詞をしよう。

織り糸まよひ ページ24

『織(お)り糸まよひ』



花弁が風に揺られて
ほろり ほどけていくように
綾なすとりどりの糸も
絡まりはゆるんで落ちる

至極簡単な事ね
カラコロ下駄で通りゃんせ
忘れたい呪いのような
過去も祓えれば良いのに

糸の先も まよひまよふ
己の道末はいづこ

ひとしきり 舞って舞って 神頼み
ひととおり 切った切った 縁の糸
馬鹿らしいわ 赤い運命なんか
裁ち鋏一つで チョキン




女神がお決めになられて
指先で結われた紐は
人間の手で引き裂かれ
脆すぎて笑っちゃいそう

闇出づる 夜更けはきっと
すやすや神もご就寝
だから列をなした妖魔たちが
こぞって集(たか)りだすのね

みなみなひと 出(い)で来たまへ
汝(みまし)行く末を晴るく

夜更けには しゃんらんしゃんら お呪(まじな)い
夜明けには きっときっと ちりしをる
後ろの正面に 影伸びる
縁切り明神が



卄(にじゅう)の軌跡 積んだ古書
段にして上から見下ろす景色は どうも
滑稽で 見え透いた真の像は 醜く愛らしか



ひとしきり 散って散って 片削(カタソゲ)よ
ひととおり 割った割った 朱漆
口先で 繁吹(しぶ)く神の吐息
廻れど二度と逢うまい
この裁ち鋏一つで チョキン



───
『織り糸まよひ』
リクエストありがとうございました。

いただいたCSから色々と歌詞に起こしました。
ここがこの記述を元にしていて、などと話していきたいところですが野暮なので沈黙。ご期待に添えれば幸いです……。



〜分かりづらい単語解説〜

片削〜マンサクという花の俗名。花の葉の形が左右非対称で不整なことから。(Wikipedia参照)
人と人との縁。片方を削いで縁切り完了。

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