人形遣いとプロデューサーの平和な日々（斎宮宗）

9話 ページ11

午後の授業が終わり、放課後。私は帰る準備をしていた。

「あ！A待って！今から隣のクラスに行くよ！」

明星君が私の手を掴んで走り出した。遊木君と氷鷹君もついてくる。ど、どこに行くの...!?ついた場所は2-B。明星君は扉を開けて、サリ〜！と叫んだ。すると、前髪を黄色のピンで上に上げている男の子が来た。

「スバルどうした？」

サリ〜という人が明星君に質問した。

「紹介します！こちらがサリ〜ね！んで、こっちが転校してきたA！生徒会だから知ってるでしょ？」

「おー！知ってるぞ。よろしくな転校生。」

「よ、よろしく。えっと、さ、サリ〜さん...？」

そう言うと氷鷹君がはぁとため息をついた。

「全く。ちゃんと自己紹介をしろ衣更。A、こいつが衣更真緒だ。生徒会の会計をしている。」

「そしてそして重大発表〜！」

明星君が笑顔でジャンプして叫んだ。重大発表...？

「僕達ね、Tricksterっていうユニットを組んでるんだ！」

遊木君が自信ありげに言う。と、Trickster...。かっこいい名前だな。

「それでね。Aに折り入って話があるの。」

明星君が神妙な顔をして言う。な、何...。

「俺たちの衣装を作って欲しいんだ...！」

明星君が頭を下げて言った。

い、衣装...!?ええええ！む、無理無理無理。ふ、服とか作ったことないし、無理だよ...。

「業者にも頼めるんだけど、お金がすごいかかって、俺たち新しく出来たユニットでさ、とてもじゃないけど払えないんだ。」

明星君が、悲しそうな顔で言う。いくらかかるか分からないけど相当な額がいることが分かる。

「お願いAちゃん。」

遊木君も頭を下げる。ど、どうしよう。でも...。

「わ、分かった...。が、頑張ってみる...！私も皆の力になりたいから...！」

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