妖万華鏡空虚咎送り弍【完結】 (ページ4)

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兎ﾉ幕ページ4

葛葉side

このままでは、晴明様だけでなく、
大蝦蟇殿に土蜘蛛殿も殺されてしまう…!
妖力が使えないわたしはなんの役にも立てない、
せめて、玉藻前を封印する鍵にでもなったら…

晴明｢もう少しだ! 拓幸殿の仇をとるぞ!｣

式神たちの力で、確実に体力を削れている。
それでもあの動き。全く疲れていないようにも見える…。
どうする、どうする、考えろ葛葉。わたしは………………

晴明｢なんとか力を吸収したが、問題は、
封印できるほどの力を持つ魂がない…。
(このままでは再び玉藻前が復活してしまう。
　今は結界の檻の中に封じ込めているが、
　土蜘蛛殿や大蝦蟇殿の魂は使えない。
　葛葉の魂となると尚更だ)｣

きっと晴明様は、わたしの魂を使うことを否定する。
でも、こんな役立たずでも力になれるのなら、
また、晴明様の隣に立って人を助けたい。
その時は、夫婦じゃなくて兄弟がいいな。
あ、女の兄弟…姉妹だったら面白いかも。
わたしが姉で、晴明様が妹。逆でも……。

葛葉｢晴明様! わたしの、わたしの魂を使ってください!｣

晴明｢!? お前は、馬鹿なのか!?
魂を使うことは、即ち死を選ぶことだ!
お前が死んでしまう!」｣

葛葉｢わたしは、普通の人。
あなたみたいに妖力を自在に操れない。
そんなわたしが唯一力になれるのは、今ここしかない。
もし生まれ変わったら、絶対にあなたの元に行く。
今度は赤の他人なんかではなく血の繋がった兄弟がいい｣

晴明｢葛葉………………………………………｣

葛葉｢わたしは大丈夫ですので。また会えるから｣

その数秒後、わたしは意識を失ったんだ。

でも、いいんです。これで、民が平和に暮らせるのなら。