▽３４ ページ34
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「…っ！！」
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病人ということを忘れたくらい
強く突き放した。
私のせいじゃないこれは、正当防衛だ。
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「…風邪うつったらどうすんの」
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制服の袖で唇を拭いて、福田くんを睨みつける。
彼は無言でうつむく。
いつものように、気まぐれだとかなんとなくだからとかなんとか言ってよ
どうせそうなんでしょ、？
強引に、勝手に、
するのがあなたのやり方なんだから
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「……もう帰るね、お大事に」
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自分のある惨めさに気付きそうになって
すぐに部屋から出たかった。
気付いてしまう前に、去りたかった。
すぐにカバンを拾ってドアノブに手を差し伸べると
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佑「今日、なんで髪の毛おろしてるの？」
「…はい？」
佑「見たことなかったから」
「………あなたが、ここにつけたからでしょ昨日」
佑「…あぁ、」
「次したら殴る」
佑「もうしない」
「……それはどうも」
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もうしないとか
何を根拠に言ってるのか分からなかったけれど
とりあえずその言葉を信じた。
というかそんな約束ができるなら、
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「もう気まぐれでキスしないとか
そういう約束はできないの？」
佑「…もうしてないけど」
「…いや、いやいやさっきしたじゃん」
佑「気まぐれじゃないよ、」
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びっくりするぐらい、何を言ってるか理解できなかった。
だから、彼は熱があるせいでおかしなことを言ってるんだと思うようにして
呆れながらいつものペースの歩きで家から出た。
でも外に出てから
さっき言われたことが本当だったらと思ったら恥ずかしくなってきて
全力ダッシュで帰る道を辿った。
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