身の程知らず

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「おーいAーーー見えてるー？」




手をブンブンと目の前で振る黎の一言でふと我に返る



「あ、ごめん、ぼーっとしてた」




「どしたのよ、なんかあった？」

眉を下げて心配そうに聞いてくる黎



「織山くんが、綺麗すぎてびっくりした」





黎がびっくりしたような顔になっている




そりゃそうだ、急に転校生にぼーっとしている私なんてあまりにも私らしくない


でも、気付けば口は動いていて



「わたし、描きたい、




…久しぶりに、描きたい！」







ハッと目を見開く黎


直ぐにまた優しい微笑みに変わって



「良かった、俺また風花の絵、見れるんだ」



そう言ってくれた








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私には、苦い過去があった

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