身の程知らず

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電車に揺られて



耳にはイヤフォン



少し古い邦ロックを小さな音量で流している





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クラスに着くと大きい声が聞こえて思わず顔を歪めてしまう


変なところに敏感で、生きにくい



自分でも嫌になる




こんな私にも話しかけてくれる人がいる




「A、おはよ」



「おはよ、黎」



黎だ

音楽の趣味の合う彼とは中学の頃から仲が良くて、よく一緒に帰ったり、話したりしていた


それは今もそうで、私の心の拠り所になっている



彼がいるだけで安心できるし

周りの音が気にならないから



彼の声は不思議だ
透き通ってて、少し暖かい

きっと彼の性格から来ている声なんだろう

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