Sugar Rush３[Shori.S] (ページ29)

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#89 Shori side ページ29

ピーンポーン

Aが帰った後、少しの時間差で聡がやってきた。

モニターを確認し、ロックを解除する。

あ、このメモは見られたらまずいな。

慌ててポケットに押し込だ。

.

昨日、一日中寝込んでた俺は、

今朝Aが書いたメモ書きを見つけて、

散々迷った挙句電話した。

電話に出たAは、いつもより元気がなくて、明らかにおかしかった。

俺の ”なんかあった？ ”の言葉に泣き出したA。

どうしてもほっとけなくて、俺の部屋に呼び出した。

正直、Aが聡と揉めてる隙に、付け込もうと言う気持ちが無かったわけじゃない。

でも、あいつの家の前で、あいつの泣き腫らした顔を見たら、そんな気も失せて...

必死で慰めてる自分がいた。

やっぱりAには笑ってて欲しいって思った。

例え、Aを笑顔に出来るのは、俺じゃなくてもいい。

あんなに泣けるくらい、聡の事が好きなんだ...

だったら、聡に笑顔にしてもらうしかなくない？

まー、頭ではそう思んだけど、心が言う事を聞いてくれなくて、気がつくと

”俺と付き合ってみる？”

なんて本気で言ってた。

あいつの困った顔を見てギリギリのところで抑えた感情。

さっき2人でソファに倒れた時、

俺、Aに何しようとした？

もし、あのタイミングで電話が来なかったら…

俺……

Aは聡の大事な彼女なのに...

風磨くんや姉ちゃんが、後悔すんなとか言うから…

あいつも俺の言動に真っ赤になったりさー、

俺の気持ち、掻き乱さないでほしいよね。

歯止めが効かなくなりそうで怖い。

あいつに触れる度に

胸が苦しいよ……

聡の彼女だろ？

手出したら聡が悲しむ。

Aだって、聡の事を好きなんだ。