【HQ!!】冷徹少女とバレー部員番外編 (ページ27)

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「いいんですか？本当に」

「さすがに払いまっせ。あかんでって」

「いいんだって。ここは甘えておいて」

会計時。百合と夏実が慌てて止めようとも、花巻と松川はいいのいいの、と伝票を高い位置で持っている。助けを求めて及川と岩泉の方を見るも、彼らは伝票を持つ二人を止めはしない。

「さっき言っただろ？ここは甘えとけって。付き合わせちまったお礼だ」

岩泉がニカッと笑って言う。実に男前である。

「ささ、ここは任せて外でるよー」

及川がそう言って追い出すように、彼女らを店の外に出してしまった。

「ほんとにいいのかなぁ…」

不安そうに伊織が言う。それに、百合が「いいんじゃない？」と返す。

「ま、せっかくだし甘えるかぁ～。にしてもかっこいいよなぁ…」

「ほんまだよねぇ…。バレー部=イケメンの方程式でもあるんかな…」

「ありそうだわぁ…」

百合と夏実は昇天しそうだ。だいぶ満足してるらしい。

「にしてもAさんよ。あんた演技派だねぇ」

「ほんとそれ。びっくりしたわ。まるで別人やん」

「あまりにも自然すぎて私も驚いちゃった。これからもそうしたら？」

『疲れたから無理。表情筋死ぬ』

伊織の質問にAは間髪いれずに答える。その様子を見て、伊織は「いつものAだ」とケラケラ笑った。