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101個 ページ10

耳元で唸る風








車のクラクション









遠くで響くサイレン









人々の雑踏









子どもの泣き声、笑い声









飛び去る鳥の羽音









.









.









どれ程そうしていたのか








ゆっくり開けた眼下に広がる人の営み。



何も知らない人々は、何時もの様に歩き去っていく。


何時もと何も変わらない日常。








探偵社、組合、ポートマフィア





三つの力が鬩ぎ合っている事を、この街の人々は知らない。



でも知らない方が良いのかも知れない。







縄張りを守る様に



僕だけじゃ如何にもならない事を皆でして来た様に






探偵社の人達と守れば善い



もう失くさない様に







如何して今こんな事を思うのか、

僕にもよく判らなかった。



ただ、何処か、心に穴が空いたみたいに感情が流れていく。


…恐れているのか。



何を?







感情の渦が大きくなっていく。




僕はーーーーー









.









「清君、聞こえるかい?」


『っ、聞こえてるよ』




握りしめたインカムから流れる彼奴の声が
僕を現実に引き戻した。


…感傷的になってる場合か。

確りしろよ僕…!





「インカムの着け方は大丈夫かい?」


『耳痛くなるし着けなくても聞こえてる』




「まあそうだろうと思ったよ。今、敦君が白鯨への
潜入に成功した」


『お前……第一関門突破、か』



「此処からの敦君の音声は君も聞いておいてほしい。万一の場合に取れる行動の幅が変わってくるからね」


『りょーかい』





インカムから流れる音声が足音に変わる。

屹度敦さんの足音だろう。



軈て何処かの部屋へ入ったのか、ドアの音が聴こえる。






"「誰も居ません……



妙です…皆何処に……」"








"「殆どが脱出した」"


"「!」"







敦さんでは無い、誰か別の男性。

声からして初老の男性の様だけど…




その男性は酷く落ち着いて、けれど何処か淋しさを
含ませた声で語る。


拠点である白鯨に、何故こんなにも人が居ないのか。





"「終わり(・・・)だからだ。この戦争のな。
次の一撃で組合の敵は全て灰となる。



この白鯨と共に」"



"「灰だって?………真逆」"



『…!』







決戦が近い事は、乱歩さんが白鯨の情報を手に入れた時点で組合も判っていたはず。



なのに人員の避難が行われた。


これは…







.








.







白鯨を街に落とす為。




いきなり最悪の場合が来たか…

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闇少女(プロフ) - ありがとうございます!お願いします! (2018年4月17日 21時) (レス) id: 86db96a001 (このIDを非表示/違反報告)
のら猫(プロフ) - あ…あ…ありがとうございます…!( ;∀;)黒蜥蜴!確かに出てなかったです!ザアパルク後ら辺にいきます(*´-`) (2018年4月17日 7時) (レス) id: 92e6776368 (このIDを非表示/違反報告)
闇少女(プロフ) - 黒蜥蜴と絡んでほしいです。更新頑張ってください! (2018年4月16日 17時) (レス) id: 86db96a001 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:のら猫 | 作成日時:2018年4月8日 17時

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