バグ大 イケおじ短編集

天王寺組　戸狩　※　リク ページ9

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「A。何で笑ってくれんの？」

「……？玄弥さんがおもんない事ばっかり言うから」

「どストレートにも程があるわ」



今日も戸狩はAを笑わせようと奮闘していた



「諦めて下さい。玄弥さんはギャグのセンスありませんから」



裏社会に名が通っている戸狩に忖度なく物申す事が出来る
数少ない人物であるAはあまり表情が変わらない



「(……ほんまにどうしたら笑ってくれるんや？)」



高価な物を渡そうとしたら怒られるわ、渾身のギャグを
言えば変わらず無表情……



「(こうなったや城戸に弟子入りするしかないのか？)」



当然、そういう問題ではない。しかし戸狩は必死だった



「なぁ。どうやったらAは笑っ……」



ふとAに目を向ける。すると……



「どうしてそんなコロコロ表情変えるん？」

「！！」



Aが笑っていた。捨て身のギャグにも一切表情を
変えなかったのに今、確かに笑っている

しかし当の本人は気づいていない様子



「んむっ！？」

「そんなん反則やわ」



褒めるよりも何よりも真っ先にその唇へ触れてしまった。
可愛い。あまりにも可愛すぎる

一瞬にして吸い寄せられてしまった戸狩はポツリと呟く



「俺みたいなおっさんを本気にさせおって……悪い子や」

「何言って……ちょっと、玄弥さん！」



そのままソファーへ倒し、再び貪り始める



「随分苦しそうやな。まだ慣れんの？」

「慣れる訳ないでしょ……っ！！」



Aの抵抗なんかただのじゃれ合いに過ぎない。縫い付ける事も
せずに自由にさせるのもそれが理由だった



「そんな可愛い笑顔、他の男に見せたらあかんからな」

「意味分からない……」

「おい。ここは分かりましたって言う所やぞ」

「何か嫌……。玄弥さんすごく自分勝手」



一筋縄ではいかない。そこがたまらなく良い



「今更やろ」



戸狩はそのまま首筋に唇を落とす。微かな刺激にAは
思わず体が固まった



「続けてええか」

「そんなん聞かないで下さい」

「そうか」



これはAなりの合図だ



「……せめてベッドがいいです」

「なんや。随分積極的やな」

「そんな意地悪言うならこれで終わりにしますよ」

「ん、すまん。もう意地悪せんから」




最後に優しくキスをしてから戸狩はAを抱えて寝室へと
向かうのだった





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