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*




「言う必要もなかったから言わなかった。それだけよ」


見つけなあかん……それはAの事だ。戸狩が本気を出せば
その居場所を見つける事なんて容易い

その日のうちに自宅を訪れた戸狩はその綺麗に片付けられた
部屋を見て愕然とする


「引っ越されるんですか」

「そう」

「何処へ?」

「言わない」


ある意味、一番距離を置かれていたのだと思い知った戸狩は
必死だった


「何処にも行かんで下さい!ほんまにAさんの事が
 好きなんです!」

「ずっとこの世界から離れたかったの。ようやく準備が
 整ったんだから邪魔しないで」


騙されて夜の世界に……そんなありふれた切っ掛けはAも
例外ではない。唯一の救いと言えば才があった事くらい

そのせいでズルズルと居座るうちに戸狩と……


「そういう事だからこれ以上私に関わらないで欲しい」

「……Aさんがそこまでアホやと思わんかったです」

「どういう……っ!?」


突如抱えられて向かったのはベッドの上。唖然とするAに
戸狩はかつて向けた事がなかった冷たい視線で射抜く


「店辞めて何の後ろ盾も無くなった女を囲う事くらい
 簡単ですよ」

「戸狩君……」

「俺に告白されておいて黙って消えようとするアンタが
 悪いんや。そんなんやったら何されても文句は言えんで」


その耳元で戸狩は囁く




「離れられんようにしてやる。覚悟せえ」




_________________

_____________





「急に用事頼んで悪かったな」


ボーッとする頭のせいで電話で何を話しているのか上手く
聞き取れない


「今度、好きなもん奢ったるから堪忍してな。ほんならまたな」

「……誰と話をしてるの」

「起きたんですか。それは言いませんけど取り敢えず引っ越しは
 無くなったとだけ言っておくわ」

「え」


スルリと落ちたタオルケットを拾おうとする手を掴むと
再びベッドへ押さえつける


「これでずっと一緒に居れますね」

「……何を言ってるのよ」

「もう何年も待たされたんやから今更、我慢なんかしませんわ」


何度も何度も重ねた唇。どれだけ貪っても思い続けた年月を
考えればまだまだ足りない


「私は普通に戻りたいの……!」

「この間までママやったとは思えん言葉やな。ま……
 嫌や言うても遅いけどな」


また一つ執着の痕を残し、それを少しカサついた指先で
なぞると戸狩はまたしても耳元で囁いた


「愛してますよAさん。ほんまに」




足掻く事を止めたのは戸狩を受け入れたからではなく
逃げられないのだと悟ったからだった




*

獅子王組 眉済 リク→←天王寺組 戸狩 ※ リク



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ぷるん(プロフ) - ゆずさん» 結局浮かばなかったらすいません💦そうですね、リク内容固まっている方からお伺いいただけると助かります (12月11日 18時) (レス) id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - ぷるんさん» それでしたら内容が既に決まってる方から伺っていく方が良さそうですね?🤔分かりました!少し呼びかけ方法変えますので引き続き待機お願いします🫡 (12月11日 18時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ぷるん(プロフ) - ゆずさん» 続きも気になる展開でした!イケおじはやっぱり素敵で✨年末企画リクに迷いが生じます…イケおじに合いそうなお題さえ浮かべば😭 (12月11日 18時) (レス) id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - ぷるんさん» ありがとうございます!補足しますとこの時の大丸さんはまだ夢主に明確な想いを寄せていなくて、事故とは言え約束を反故にした事に対して憤りを感じている設定になっています!🤭 (12月11日 18時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ぷるん(プロフ) - 大丸さんさっそく読みました!ゆず様のイケおじ……他のキャラでもよくそう思うんですが文字で読むとより格好よさや渋さが伝わってきてすごく好きです😊 (12月11日 18時) (レス) id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆず | 作成日時:2023年7月6日 10時

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