バグ大 イケおじ短編集

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「……何か久しぶりに疲れたって感じがする」


帰宅後。すぐにベッドへと倒れ込んだ国生はまさに
疲労困憊といった様子だ


「英明さん……」

「ん？」

「ごめんなさい」


話し合いの場で殆ど喋っていない。上手く話せないAの
代わりに国生が殆ど答えていたからだった


「いいんだよ。ただ……」

「……？」

「ちゃんとプロポーズしたかった」





娘のように可愛がっているAを京極組員に取られたとご立腹の
天羽組長はあの勢いのまま入籍日まで勝手に決めてしまい……

挙句の果てに京極組にまで連絡を取り、両組で宴をやるという始末。
ちなみに五十嵐は両者の交際をこの時に初めて聞いたにも関わらず、
すぐさま組員全員に「朗報だ」と言いふらしたそうだ


「その、最初から結婚するつもりで……」

「当たり前だろ」


どうやら国生はAが思っている以上に本気だった。問題は
いつプロポーズをするべきかと考えていた所……今回の事があり
予定が早まっただけのようだ


「A。こっち来い」


言われた通りに側まで寄ると国生はAの腕を掴み、そのまま
自分の腕の中に収めてしまう

愛おしそうに頬を撫でて顔を近づけると……


「今更嫌だって言っても離してやれないからな」


そう囁いた次の瞬間。唇が重なった


「言う訳ないですよ……」


A自身もベタ惚れだ。そんな相手と一緒に居られるのだから
プロポーズが無かった事に不満なんかない


「国生Aか……いいな」

「気が早すぎですよ」

「にしても野田の野郎の顔……あれは傑作だったな」


Aは野田の直系の妹分だ。最後の最後までいい顔は
していなかったが……結局、必ず幸せにする事を国生に
約束させなんとか納得していた


「そんな事言わないで下さい。私の大切な兄貴分です」

「悪い悪い」

「もう……」


何がともあれ晴れて両組に認められ、ホッとした二人は
そのまま……


「何か眠いな」

「はい……」

「寝るか」

「……うん」


幸せに包まれながら静かに寝息を立て始めるのだった







「野田の旦那も過保護ですね。わざわざ相手の男の身辺調査を
　依頼するなんて」


＿＿俺の妹分に手を出したフールを見つけてくれ


「でもあの人なら大丈夫ですよ。だから俺もわざと貴方に
　教えなかった」


路地裏にて。ひっそりとAの幸せを願う者は次々と舞い込む
依頼を片付ける為にその場を後にする




*

天羽組　阿久津　※　リク→←京極組　国生　リク

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