バグ大 イケおじ短編集

京極組　国生　リク ページ32

*シャリファ様リク






「A。今すぐ国生をここに呼び出すのだ」

「……えっ？」

「お前ら付き合ってるんだろ？親っさんも知っている」


天羽組長に呼び出されたAが慌てて執務室に向かうと
そこには野田も一緒に待機していた


「伍代に調べてもらった。言い逃れは出来ねぇぞ」

「お、親父さん……」

「分かったならさっさと呼べ。Aからの呼び出しなら
　飛んでくるだろうなアイツ」


するとタイミングが良いのか悪いのか。スマホに着信が入る


「(ひ、英明さん！？)」


相手は国生だった。野田はAからスマホを奪い取ると
そのまま通話ボタンを押す


「おい今すぐウチの組に来い」

「……分かった。すぐに向かう」


普段なら何を言っていやがる……なんて言いそうだが今日に限って
国生は野田に言い返す事もなく素直に返事をした

その横で青ざめた顔をしながらAはただ慌てるばかりだ




＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿





「お前ら組に隠れてコソコソと付き合いやがって……」


私生活に口を出さざるを得ないのはこの前まで両組は
抗争を繰り広げていた背景があるからだ

そんな最悪の環境の中でも国生は冷静に天羽組長の質問に
答えていた


「天羽組長。どうか認めていただけませんか」


生半可な覚悟で付き合っている訳では無い。ただひたすら
認めてもらいたくて国生は終始頭を下げている


「いつだ？」


すると話の流れを遮るように天羽組長はそう尋ねた。流石に
この問いの意味が分からずどういう事かと国生は聞き返して
しまった


「籍はいつ入れるんだって聞いてるんだよ！」

「「え？」」

「どうなんだ国生！あぁ！？」

「具体的にはまだ……」

「テメェAみたいな二十歳そこそこの若くて可愛い子を
　誑かしておきながら決めてないってどういう了見だ！？」

「お、親父さん！誑かすだなんてそんな……！！」


てっきり反対するものと思った。それは野田も同様だったようで
まるで二人の仲を認めるようなその発言に驚きを隠せない


「親っさん。まさか国生を呼び出したのは……」

「どんな相手だろうとAが選んだ男だ。俺はただ
　国生にその覚悟があるのか確認したかっただけだ」




*

・→←天羽組　阿久津　リク

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す