バグ大 イケおじ短編集

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「貞治さ……っ」

「言い訳なら聞かんで。どうせ碌でもないやろうしな」



三國が本性を出したのは自宅に戻ってからだった。玄関を締めるや
扉が大きな音を立てる程にAを乱暴に押し付け、強引に唇を
重ねるとそのまま貪り始める



「こんなに怯えて可哀想になぁ……せやけど自分が悪いんやで。
　分かっとるか？」



時々、唇を外してはジワジワと責め立てて……また塞ぐ。それを
何度か繰り返すとAの目から涙が溢れ始めた

そしてズルズルと崩れ落ち、その場から動けなくなったAを
三國は寝室へと連れて行く






「浮気はしてないみたいやな」



自分の残した痕すら残っていないまっさらな白い肌に満足げな顔を
浮かべるもすぐに影がかかる



「A。俺、心配したんやで？」



それは紛れもない本音だった。この世界、道理を弁えた
人間ばかりではない

自分が常に狙われる……という事は側にいるAにも危害が
及ぶ可能性は十分にある



「ま……お前につけとった監視がまさかこんな形で役に立つとは
　思わんかったけど」

「！？」

「当然やろ？大事な妻に何かあってからじゃ遅いからなぁ」



だから陣内に探すと言われた時、即座に止めたのだ。初めから
三國にはAが今何処で何をしているか分かっていた

最初からを最後まで全て転がされていただけだと分かった瞬間、
抵抗する気力すら奪われたAは三國の肩を必死に押し返して
いた手を下ろしてしまい……



「この二週間、Aがおらんくて寂しかったんやで」

「や……っ！」



首筋に強い痛みが走る。きっと付けられたのだろう



「……そんな声聞いたら手加減出来なくなるわ」



身体中に咲く紅い花。強すぎる刺激を与えられて身を捩っても
一切、力を緩められる事はない





「A。せいぜい後悔してたらええわ」





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痛々しい痕が残る体を抱き締めると三國は満足げに笑う



「籍入れよか」

「え……」

「もう逃さんで」



その脅しかける顔は組長そのもの。恐怖で声が出ないのを
いい事に三國はそれを肯定だと勝手に解釈をした

三國にとって結婚などAを繋ぎ止める為の手段でしかない



「ずっと大事にしたる。愛してるでA」

「貞治さ……ん」




それでも望む返事をしないのはせめてもの抵抗だった




*

【からかい※】六車ver→←天王寺組　三國　※

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