獅子王組 柳楽 ※ ページ22
*
「A。何故こんな所にいる?」
「え、柳楽の兄貴こそ……」
売り子の役目を終えたAは阿蒜と交代し、人気の少ない所を
歩いていた
「別に何でもいいだろう」
「す、すみません」
柳楽もAと同様で見回りを終えたものの、特段はしゃぐ質では
ないからか……辺りをただ歩いているだけだった
「もうすぐ花火が上がる筈だぞ。会場に戻った方が……」
「そ、それが……」
例年より客数が多く、小柄なAはそこに埋もれてしまい
花火がよく見えないと判断した
どこか良い所ないだろうかとウロウロしていた時に柳楽と
バッタリ……という事だったらしい
「ついて来い」
「え?」
「早くしないと置いていくぞ」
「え、ま、待って下さい!」
下駄はカラカラと音を立て、Aは慌てて追いかける
「あわっ!?」
ただ急ぎすぎたのかAは躓いてしまった。けれど直前で
柳楽が支えたお陰で転ぶ事はなかった
「……お前さんは本当に危なっかしい」
「ご、ごめんなさい」
__ギュッ
「や、柳楽の兄貴?」
「こうでもしないとまた転びそうだ」
柳楽の大きな手がその小さな手を握る。思わぬ展開に
慌てていると……
「これで迷子にならなくて済むな」
真顔で言われては笑えない。その一言にAは膨れつつも
握られた手を離そうとはしなかった
______________
_________
「ここならしっかり見られるだろう?」
人気はなく、祭り会場から届く音もほんの僅か。ゆっくりと
眺めるには申し分ない場所だ
「凄い!柳楽の兄貴、どうしてこんな場所知ってるんですか?」
「一人でゆっくり見れる場所を探していたらここを見つけた」
「……あの、それなら私を連れて来なかった方が」
「Aなら別に構わん」
それ以上、柳楽は喋ろうとはせず花火が打ち上がるまで
2人の間には沈黙が流れるのだった
*
62人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぷるん(プロフ) - ゆずさん» 結局浮かばなかったらすいません💦そうですね、リク内容固まっている方からお伺いいただけると助かります (12月11日 18時) (レス) id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - ぷるんさん» それでしたら内容が既に決まってる方から伺っていく方が良さそうですね?🤔分かりました!少し呼びかけ方法変えますので引き続き待機お願いします🫡 (12月11日 18時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ぷるん(プロフ) - ゆずさん» 続きも気になる展開でした!イケおじはやっぱり素敵で✨年末企画リクに迷いが生じます…イケおじに合いそうなお題さえ浮かべば😭 (12月11日 18時) (レス) id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - ぷるんさん» ありがとうございます!補足しますとこの時の大丸さんはまだ夢主に明確な想いを寄せていなくて、事故とは言え約束を反故にした事に対して憤りを感じている設定になっています!🤭 (12月11日 18時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ぷるん(プロフ) - 大丸さんさっそく読みました!ゆず様のイケおじ……他のキャラでもよくそう思うんですが文字で読むとより格好よさや渋さが伝わってきてすごく好きです😊 (12月11日 18時) (レス) id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆず | 作成日時:2023年7月6日 10時