バグ大 イケおじ短編集

天王寺組　大嶽　※　リク ページ17

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「戸狩の兄貴ってギャグを言わなければカッコいいんですよね」

「それ本人の前で言うたら傷つくからな。なんで急に
　アイツの話なんかするん？」

「え？何となく……ですかね」

「ギャグは俺も言うてるやろ。面白くないんか」

「面白くない訳じゃ……その、笑えないだけです」

「余計傷ついたわ」



Aは大嶽にとって唯一落とせなかった女だった

その地位に目がくらんだ嬢やクラブのママ……あらゆる女性から
声をかけられても薄い関係しか築いてこれなかった



「……何でなん」

「どうしました？」



非常に頭が回る故に大嶽は相手が打算で近付いて来ている事が
手に取るように分かってしまう

Aは怒っているのか、それとも悲しんでいるのか……喜怒哀楽が
ハッキリしていて分かりやすいと言えば分かりやすい

だが。他の女性と違って腹を探るような真似をしない分、一体
何を考えているか分からない一面もある



「俺も褒められたいわ」



ただの一度もAから欲している物を与えられた事はない



「毎日毎日神経すり減らしとるんやし……少しくらい
　褒美くれてもええんとちゃうか」

「そんな高い物買えませんよ！？」

「この流れで褒美言うたらこれしかないわ」



おそらくこのままでは一向に気付く事はない。本当はAから
してほしかったけれど致し方ない



「ん、か……カシラっ」

「は……っ、A」



何にせよ、ずっと触れたくて仕方なかった唇に自分のそれを
重ねた大嶽は先程より表情が柔らかくなった



「いくらここが俺の執務室言うても大きい声を出したら
　他の組員が来てまうかもしれんで」

「……っ」

「馬渕辺りが来たらええと思わんか？あれは耳がいいから
　面白い事になりそうやし」

「！！」

「冗談や。そんなんしたら俺でも怒られるわ」



あからさまにホッとするAに少し苛立ちを覚える。それほど
までに嫌なのかと



「頑張って声我慢するんやで」

「も……もう終わりじゃないんですか？」

「止める訳無いやん。俺を蔑ろにするのが悪い」

「理不尽……」

「好きに言ってたらええわ」



しかしこの事が切っ掛けAは大嶽を避けるようになり……
それを面白くない思わなかったのか、事あるごとにお仕置きを
受けるようになるのだった




「いい加減学習せえ」

「だからっ、理不尽なんですって！」

「そんな生意気な事言える元気あるんやったらもっと
　激しくしてもええよな」

「待っ…！」



一向に落ちる気配がありません




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