バグ大 イケおじ短編集

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「柳楽の兄貴、あの、駄目ですって……！」



仕事を終えて真っすぐ柳楽の元へ向かったAが連れ込まれたのは
仮眠室だった



「他の組員はもう既に帰った」

「そうじゃなくて……！」

「鍵はかけてある」

「で、ですから！」



シャツのボタンが外され白い首筋や鎖骨が露わになったかと
思えばそこに温かい物が触れる

時々微かに痛みが走り身を捩っても抵抗にすらならず、Aは
されるがままになっていた


「下心がない男はいない。そう言ったのは覚えているか」

「お、覚えてます……」

「それは俺も例外ではないんだぞ」

「柳楽の兄貴らしくないですよ。そんな……」

「では聞くがお前さんの目に俺はどう映っているのだ？
　まさか女に興味などない無欲な男なんて言わないだろうな」



非難めいた言い回しにAは涙目になる



「お、大人……の男の人で……」

「そのままではないか」

「私みたいな歳下なんか……絶対に相手にしてくれなくて」

「……」

「私だって頑張って、アピールしてるのに全然気付いてくれない
　強い癖に凄く鈍感で、大好きなのに……」



ポロポロ泣き始めて支離滅裂な事を言い始めたAに柳楽は
困惑気味だ

無意識とはいえ密かに思いを寄せていた妹分から告白をされた
柳楽はAのシャツを直すとすまなかったと謝る



「お前さんの気持ちに気付かずにこの様な真似をして……
　男のつまらん嫉妬だ」

「嫉妬……」

「俺もAが好きだ」



打ち明ける事はないだろうと思っていた気持ちを露わにすると
柳楽はこころなしか顔を赤くする

しかし。顔を赤くしているのはAも同じだった



「こんな歳の離れた男でもいいのか？」

「私は、柳楽の兄貴が良いです」

「……そうか」



柳楽がスッと離れるとAは何とも寂しげな顔をした



「そんな顔をするのは止めなさい」

「だって」

「続きは俺の家だ。これでも必死に抑えているのだぞ」

「つ、続き？」

「……まさかここで終わるなんて思っていないだろうな」



その意味がようやく分かった瞬間、Aは途端に落ち着きが
なくなる




「分かったのならついてきなさい」

「は、はい……」




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「あまり他の男に近づかないように。もしまた同じ真似を
　したらこんなのでは済まないからな」

「き、気をつけま……」






Aは翌日、柳楽が起こすまでスヤスヤと眠り続けたらしい





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天王寺組　戸狩　※　リク→←獅子王組　柳楽　※　リク

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