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件の男はすっかり姿を見せなくなりAには笑顔が戻った
「これは？」
「サービスです」
いつものブレンドコーヒーと共に運ばれたのは数量限定の
デザートだ
「いいのか」
「英明さんは特別ですから」
「……ありがとう」
あの一件を機に二人はより親密になった。と言ってもお互いに
決定的な事を口にした訳でもない
名前の付かないこの関係はAをモヤモヤさせるには十分過ぎた
「ここに越してこないか」
「……え？」
お互いの休みが重なる前日にはこうしてどちらかの家に訪れて
夕飯を食べてそのまま泊まる……というのが当たり前になりつつ
あった
そしてソファーでくつろいでいた時、不意に国生がAにそんな
提案をしてきた
「あ、あの？」
「心配なんだよ。Aが」
その言葉に少しドキッとする。からかっている様子もない
勿論、国生の事は好きだし一緒いたいと思うけれど……
何故か素直に喜べない自分がいる
＿＿俺が何とかしてやる
その瞬間、Aはふと思い出した
あの日、確かにそう言っていた。そして次の出勤日にはもう
店にあの男は来なくなって……
「どうした」
それを気にせずにいられたのは二人の関係性に名前がなかったから
名も無い関係にモヤモヤしていたが、いざ国生がそれを越えようと
するとそんな些細な事が気になりだしてしまう
「英明さんって」
「ん？」
「………」
＿＿こんなにも自分に良くしてくれる人が悪い人な訳が無い
「私の事、どう思ってるんですか？」
「……」
するとその問いかけを聞いた国生は目前まで顔を近づける
「好きだ」
何の迷いもなく、真っ直ぐに見つめて告げた
「今すぐにでも俺だけの女にしたい。そう思ってる」
そしてほんのり色付いた頬に手を添えると……
「……抵抗しないのか」
あと少しで唇が触れる時にその動きを止めた
「だって、私も英明さんの事……好き」
その一言はこの状況で言ってはならない事だとAは
気が付いていない
「後悔するなよ」
やけに余裕のないその表情が気になったけれど重なった唇から
伝わる熱に思考を奪われ、そのままAは目を閉じた
「らしくねぇな。俺も」
どうしても手に入れたくて極道である事を隠して近付いた。そして
優しい常連客、頼りになる隣人を演じた結果……
「そんな無防備だから狙われるんだよ」
自分の隣で眠りにつくAにそう呟くと再び覆い被さる
「……愛してる」
何度目になるか分からないその呟きがその耳に届く事はない
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ゆず(プロフ) - ぷるんさん» 可能性大です！天王寺組に限らず他の組やヴィラン組シリーズも書きたいです！可哀想な陣内さん🤣 (1月25日 16時) (
レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ぷるん(プロフ) - ゆずさん» では惜しくも出番のなかった渋谷さんたちも、第二弾では登場の可能性あり…？！なのですね😳中でも今回はラストで一蹴された陣内さんのオチが好きでした！ (1月25日 10時) (レス) id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - ぷるんさん» ありがとうございました！第二弾でもこんな感じの作品を公開して評判があれば長編へ昇格……と考えています☺️ (1月25日 10時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ぷるん(プロフ) - 天王寺組姉さんの日常編、読んでいて楽しかったです！✨ (1月25日 10時) (レス) @page49 id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)
ぷるん(プロフ) - ゆずさん» わお😳朗報です✨ (9月21日 0時) (レス) id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆず | 作成日時：2023年6月3日 22時
