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*城戸side
Aはホンマにええ子。俺が忙しいの分かっててメッセージも
電話も寄越さんと我慢してる
でもな?そんな無理せんでええから。俺を見送る時に見せた
寂しそうな顔をするくらいなら一言、二言罵ったって別に……
「浅倉……機嫌悪なった彼女へのお土産、何がええと思う?」
「お土産なんかでどうにもならんでしょう。早く家に帰って
あげる方がAさんも喜ぶんとちゃいますか」
「そういうもんなのか?」
「まぁ……何とも言えませんけど」
浅倉の言う事は最もかもしれん。どのみち仕事はこれで
終わりやから早く済ませて帰らんと……
「ホンマにAさん一筋なんですね」
「当たり前やろ」
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早く済ませて……なんて思ってたのに結局なんやかんやあって
家に帰ってくる頃には深夜になってた
流石にAも寝とると思った俺は起こさんようにこっそりと
家の中に入る
「……帰ってきたで」
当然、いつもならすぐに「おかえりなさい」と来る返事も
今日は無し……寂しいもんやな
__ガチャッ……
「………!!」
A。お前、どんだけ寂しかったん?
「……シャツなんか抱きしめおって」
その細い腕は俺のシャツを抱きしめていた
「そんなんで満足するな。本物が帰って来たで?」
ただ、ただ愛おしかった。言葉にせんでもAは俺の事を
思ってくれてるのが嬉しかった
同時にお土産何ぞで機嫌を取ろうとした俺自身の浅はかな考えが
心底、情けなく思えて仕方がなかった
「A」
そっとシャツを取り、代わりにその腕の中に忍び込んでみる
「ん……?」
やっぱ流石にこれは起きてまうか
「シャツなんかより本物の方が何倍もええやろ?」
「……丈一郎さん?」
「ただいま」
「……おかえり、なさい」
すぐさまその腕が俺に伸ばされる。久しぶりに触れるAに
仕事の疲れなんかは一気に吹き飛んだ
「いい匂い……」
「洗剤の匂いやろ」
「違う……丈一郎さんの匂い」
こんな軽いノリの会話も久々やな。なんか……やっと
戻ってきたって実感が今更湧いてきたわ
「明日休み取れたんよ。どっか行こうな」
「……行かない。ゆっくりしたい、一緒に」
「……そうか」
俺も眠たくなってきた……やっぱりAの側は落ち着くなぁ
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ゆず(プロフ) - ぷるんさん» 可能性大です!天王寺組に限らず他の組やヴィラン組シリーズも書きたいです!可哀想な陣内さん🤣 (1月25日 16時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ぷるん(プロフ) - ゆずさん» では惜しくも出番のなかった渋谷さんたちも、第二弾では登場の可能性あり…?!なのですね😳中でも今回はラストで一蹴された陣内さんのオチが好きでした! (1月25日 10時) (レス) id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - ぷるんさん» ありがとうございました!第二弾でもこんな感じの作品を公開して評判があれば長編へ昇格……と考えています☺️ (1月25日 10時) (レス) id: 69150dbb82 (このIDを非表示/違反報告)
ぷるん(プロフ) - 天王寺組姉さんの日常編、読んでいて楽しかったです!✨ (1月25日 10時) (レス) @page49 id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)
ぷるん(プロフ) - ゆずさん» わお😳朗報です✨ (9月21日 0時) (レス) id: 0de05b8548 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず | 作成日時:2023年6月3日 22時