35 ページ35
宿に着いて、早々Aは布団をかぶった。
一人部屋なので誰にも口出しされないからだ。
機関車で眠っていたのに、そのことが無かったかのようにすぐに夢の中へと落ちていった
「A。久しぶりだな。」
Aが声の方を向くと、少し低めの声の主は顔を黒く塗りつぶされていた。
また、幼少期の夢か、なんて思いながらAは返す
今の自分の意志ではなく、幼い自分に操られて。
『久しぶり。元気してたか？』
「ああ、元気だったぞ。あいつなんて犬のように走り回っとるわ。」
ふは、と笑いを漏らしながら声の主はAと、向き合った。
流石に前を向いてるか後ろを向いてるかはわかるか、と思いながらAは笑い声を漏らす
『相変わらずだね。あいつ。早く逢いたいな。』
「あいつも逢いたいらしいぞ。今は訓練週間だから、終わったら毎日逢うって。」
お前ら、仲いいよな。と言って声の主は寂しそうな笑いを口にした。
『そうか？』
声の主とは、反対に嬉しそうな声でAは返す。
声の主の気持ちなど、Aには、考えられなかった
まだ、幼すぎるのだ。
気づかないほうが、良いと思われるその思いを。
『なあ、また戦争するのか？』
「そろそろするって、父上は言ってたぞ。」
『そうか......戦争なんて嫌い。』
だってあいつもあんたも、命を落としちゃうでしょ？
悲しげな声でAは伏し目がちになった
「落とさないぐらい、強くなったるわ。」
『それはすごいね。でも、二人共無茶するだろ。』
「そうかもな。でも、Aは守るから。」
『国、守れなかったら意味ないだろうが。』
私の命なんか国と比べ物にならない。
と、Aは呟いた。
大変だよね、あんたも。
心配そうな目でAは声の主を見た。
「大変だが、大丈夫だ。国もお前も守るから。」
Aが守られたいのは俺じゃない、と思いながら。
Aに対する一縷の望みを捨てきれずに言った。
『じゃあ、二人が死なない位、私が、強い武器を作る！』
そう微笑んだところで、彼女の意識は現実に戻された。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 358人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みずき - あの…12の「zmさん。離してください。」のところの離してが話してになっていますよ(語彙力皆無)応援してます！頑張ってください！ (2022年10月8日 10時) (
レス) @page12 id: 129e1b5429 (このIDを非表示/違反報告)
藤冬(プロフ) - チャコ○さん» 文才があるなんて、いえいえまだまだ未熟者です。これからも頑張らせていただきます！応援ありがとうございます。 (2022年1月19日 20時) (レス) id: 2d51c5e453 (このIDを非表示/違反報告)
チャコ○ - 凄く素敵な作品に出会いました…最近多いな…文才ある方…年下だってぇぇえ⁈しかもかなりっ…かなちぃ…J K悲しいめぅ…これからも無理なく更新頑張ってください…楽しみにしてます (2022年1月19日 20時) (レス) @page14 id: 160a7ef55b (このIDを非表示/違反報告)
藤冬(プロフ) - あっぷるさん» 褒め言葉ありがとうございます。作者は現在12歳です。占ツクをやることに親に許可はもらってますのでご安心を。 (2022年1月19日 18時) (レス) id: 2d51c5e453 (このIDを非表示/違反報告)
あっぷる - もう、なんか、文才が､､､凄い､､､(語彙力)あの、藤冬さん今何歳ですか？あ、公開したくなければ全然構いませんけど､､､こんな凄い文を書く人がどのくらいなのか気になりました(*´-`) (2022年1月19日 18時) (レス) @page4 id: c1f3a10c7f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：藤冬 | 作者ホームページ：@kodomikodoku
作成日時：2022年1月18日 19時
