エリオスライジングヒーローズ Ⅰ! (ページ34)

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僕がヒーローを目指した理由ページ34

またとある日、アキラの家に遊びに行った。

仲が良くなってからは、アキラ、レン、ウィルと

呼び捨てで呼ぶようになって、

僕もみんなから『しおん』と呼ばれるようになった。

アキラの家に遊びに行くと、なぜかレンの靴があった。

レンがいるであろう部屋の前にはご飯が置いてあって、

そのご飯はすでに冷め切っていて。

『…レン?』

ﾚﾝ｢……………｣

『わたしだよ、しおん、だよ』

ﾚﾝ｢…｣

『……………体調悪いのかな。
ゆっくり、休んでね』

ﾚﾝ｢……………てくれ｣

『ぁ、』

ﾚﾝ｢今は俺のことは放っておいてくれ!｣

そうやって突き放してくるレンは初めて見た。

【イクリプス】に襲撃されたっていうのは

それから数週間後に知った。

何が、ヒーローになりたい、だ。

僕はそう宣言しているだけで、誰も守れていない。

それに最近、アキラは傷を作って帰ることが多くなった。

なんとなくだけど、その理由がわかった気した。

『……………わたしの、せい…?』

わたしがアキラ達と友達になったから?

わたしがこの街に住んでいなければ?

わたしがこの世界に生まれてこなければ?

…わたしがあの時に一緒に死んでれば?

……………弱い自分を捨てるように、僕はすぐにアキラの家を出た。

そして、[過去のわたし]は『僕』になった。

これ以上みんなに不幸を与えないようにするために、

そしてアキラ達に僕が償いをするために。