【イナイレ】おお、神さまは天の上:序 (ページ5)

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『……上出来かな。』

現在13歳という年齢、世間では中学校に通っているはずの歳だ。本来ならば学校というものに通っているはずで、家にずっとこもっている訳にもいかない。そこで、家にあった教材を引っ張り出してきて1から解いていく。

……と、言ってもだ。小学生中学年程の頃には、父の教育によって既に高校卒業までの勉学はさせられた。記憶が抜け落ちていなければ問題なく解ける筈で、現にいくつかの教材が片付いていた。

『……これなら余裕そうだ。』

なかなか楽しいもので、あっという間に時間はすぎる。用意した教材の1/3は終わっていて、あと数日かければ全て終わってしまいそうだ。

『今日は終わり！』

ぐっと伸びをして、固まった身体を伸ばす。今日はリハビリも終わっている、ある程度歩けるようになったので散歩でもしてこよう。

「若様、どちらへ？」

『散歩、もしもの為に携帯を持って行くよ。』

「1人では危険です。」

うちの使用人はとても心配性だ。事故があったからかは分からないが、事故前より1人行動にうるさくなった気がする。

『勝手についておいでよ。』

結局のところ、散歩に行くだけなので居ても居なくても変わらない。好きなようにさせておく。身支度を整え、携帯をポケットに入れて家を出た。

勿論、足音はついてくる。

『……この辺り、特に変わってないな。』

3年という時間が経った今でも、何も変わらない道をただゆっくり景色を眺めながら歩く。

ピタリと河川敷で足を止めた。

『……あれって。』

自分よりも下の年齢の子供たちがサッカーをして遊んでいる。ゴール前には、その中でも少し大人びている少年が立っていた。

見覚えがある、あの顔、あの声……あのバンダナ。

何一つ変わらない、屈託な笑顔。

『……円堂？』

円堂守、紛れもなく自分の幼馴染だった。