梵天の日常 (ページ6)

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九井の苦悩ページ6

一(はじめ)

眠い。何徹目かすらわからない。それにしても、三途がうるさい。そしてうるさい三途を見て笑う灰谷兄弟がうるさい。

「おいテメェら…ちょっとは黙れよ。」

コイツラは既に、普通の声量では届かない領域に達しているようだ。

「うるせー…。」

眠い。とてつもなく眠い。もう限界かも知れねえ…。コイツらの声援(絶対違う)が無ければ、もうとっくに寝落ちしていただろう。素直に感謝はできない。寝かせてくれ、とも思う。

「ココノヰ----!!!!！!!❢⚠！」

「ギャァッ!!!?っ三途っ!!!!!」

三途が抱きついてきた！？キメえ！！！どうしようもなくキメえ！！！！！！

「ヒーwwwwwwwwwwww」

「サイコーwwwwwwwwwww」

灰谷兄弟が大笑いしててムカつく。

「三途ｯｯｯｯ！いい加減離れろ！苦しい！！」

「ｺｺﾉｲｺｺﾉｲｺｺﾉｲｺｺﾉｲｺｺﾉｲｺｺﾉｲｺｺﾉｲｺｺﾉｲｺｺﾉｲ」

俺の名前を連呼するヤク中はどうしたらいいのでしょうか、神様。

「九井の匂い。九井は勝つ。九井は負けない！」

「マジでなんなんだよさっきから！？」

ヤク中に抱きつかれた時点で、俺はもう末期なんだ。それはもう諦めた。

「マイキーが、言ってたんだよ！『九井と鶴蝶だけはちゃんと働いてるな』って。大好きなマイキーが九井のこと好きなら、俺も九井が好きだ！！」

「はぁ！？どうやったらその結論に至るんだよ！！」

「だが残念だな、九井。お前は俺の一番ではない。マイキーが俺の王だ。」

「望んでねえよ！！つか鶴蝶は！あいつも褒められたんだろ！」

「アイツは駄目だ。真面目すぎる。お前ぐらいの変人が丁度いいんだよ。」

まあ鶴蝶(反社№3)より真面目なやつは梵天にいないだろうな。(!?)

「…望月は？ボスなんも言ってなかったのか？」

「あ？ジジイ？あんなヤツ立ってるだけで威嚇になってんだろ。チートだチート。仕事じゃねえ。と、俺が今言った。」

「ボスが言ったわけじゃねえんだな。」

抱きつかれたくない俺と、抱きつきたいヤク中。どう見ても地獄絵図。灰谷兄弟はもう生きてはいないだろう。

「九井は生まれたときから素直じゃねえよな。第一声が『オギャア』とか、いきなり反抗期？ってな。」

「オギャアは普通だろうが。しかも俺はお前と幼なじみになった覚えはねぇぞ！なんで俺の出産に立ち会ってんだよ！」

字数により終わり