細い目。

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その後は浴衣の着付けを動画を見たりして



完璧にマスターした




「うわもう外真っ暗」



「集中してたもんね。そのおかげで覚えられたからよかった!」



「まぁそうだな。これを明日何人かに教えるか」



「後、シフトとかも決めないとね。

裏方とか接客とか」



「あー忘れてた。実行委員めんどくせぇー」



「…なら、やらなきゃ良かったのに」



立候補したくせにー



めんどくさいのなんてハナからわかってる事じゃん



チラッとスニョンを見ると


じっとこっちを見ていた



「…何?」



「いや、別に?」



「…ならそんなに見ないでよ」



フイっと顔を逸らした



暑い



顔赤くなってないかな


つーっと頬に汗が伝った



「A、顔真っ赤」



すっと頬にスニョンの手が触れた



思わず肩が跳ねる



「なにそんなびっくりしてんの」



「だって急に触るからっ」



「可愛い」



「…からかわないで」



また顔を逸らすと



階段を昇ってくる音が聞こえた



すぐにノックされ母親が入ってきた



「あら、スニョンくん来てたんだ。


ってなんで浴衣着てるの?」



「文化祭の衣装で、着付けの練習してたの」



「ふーんそうなの、スニョンくんご飯食べてく?」



「今日は帰ろうかな、疲れた」



「そう?残念だわ」



パタンっとドアが閉まった



静かな部屋


だけど、これが落ち着くの



「…はぁ」



「何ため息ついてんの」



「気が重いなって」



「なんで?」



「前に立って決め事する度に女子達は突っかかって来るんだろうなって。


それを思うと、疲れちゃって」




保健室で女子に言った事もあった



けど、だからと言って何も変わらなかった



それを何度やっても同じ



男子に頼って都合良くして



助け求めて



私ばっかりに



「A」



グッと引き寄せられた



少し苦しいぐらいにスニョンは抱きしめてきた



「どうしたのっ」



「少しは、落ち着くかなって」



「…大丈夫だから離して」



「大丈夫じゃない時のお前の癖」



離れるとすっとスニョンの指が唇に触れた



「血出てる」



「あっ、ほんとだ」



グッとかみ締めた唇は切れていて


たらっと血が出ていた




学校行きたくないな



「ごめん、スニョン」



「ん?」



「私のせいでめんどくさいこと巻き込んだ」



「はぁ、お前のせいじゃねぇから」




優しいな



嫌になるくらいに優しい

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