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風が強い日だった ページ7

-数十年後-

「青緑、博物誌進んでるか?」

水面を見ながら何か落ち込んでいるかの、そんな様子の青緑に声をかける。
いつも元気な青緑が珍しいななどと思いながら青緑の隣に座り込んだ。

「全くと言っていいほど進んでおりません。」

しょぼくれた元気のなさそうな声で、青緑が答える。
はは、だろうな。と返しては俺も水面を覗きこむ。
水面に映り、歪んだ俺の顔の横には同じく水面に映り歪んだ青緑の顔があった。
唇を尖らせて、かなり拗ねたようにしている。これはまた珍しい。

「はぁ…俺が言えることは特にないな。まぁ適当にクラゲの絵でも描いてみたらどうだ?」
「面倒くさい、わからない、面倒くさい。」

 珍しいと言ったが、前言撤回。
いつもの青緑に変わりなかったようだ、逆に安心する。
こんな事で安心してもどうにもならないが。

「そうだな、シンシャ。シンシャならいっつも見回りしてるし、シンシャに聞いてみるのはどうだ。」

毒素の問題で色々と危険なところはあるが、青緑にもいい薬にはなるだろうし、博物誌も進んでいい要素が多い。
それに、シンシャだって寂しい思いをきっとしているだろう。
まぁそこは、よくわからないが。

「シンシャってあのシンシャ…?」
「あのシンシャ以外居ないだろ。さて、俺は環境観察があるからここら辺で、またな。」

 立ち上がって、こちらを向いた青緑に向かって手を振りながら外へと向かい始める。
今日の風は、なんだか不快な感じだ。
この風は、数十年前にも感じた事があった気がする、どんな場面だったかはよく思い出せない。

 さぁ、仕事を始めよう。

_____


「えー、日の高さは昨日と同じで異常なし。草花も異常はなく……風、は…。」

呟いたと同時に吹いてきた風邪に、薄浅葱の髪が揺れ、視界に広がる。
同時に髪に光が当たり、キラキラと光り輝いた。
自分の髪はダイヤのような輝きじゃなきゃ、綺麗とは言い難いな。

とりあえず風は強くて不快、と。
今日はこれでいいだろう。何か嫌な事が起こる前に学校へ戻らなければ。


後ろ風が、俺の背中を叩く。
どうやら帰るのには、間に合わなかったようだ。

「こりゃあ月行きになっちまうかなぁ。」

後ろを振り向き、視界に入った月人を睨みつけながら1人で呟く
そうだ、この風は数十年前ダイヤと初めて言葉を交わした日にも吹いていた風だったな。
きちんとメモをして覚えておかなければ。もちろんそれは帰れたらの話になるのだが。

後悔が胸を痛みつける→←羨ましい



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作者名: | 作成日時:2018年6月3日 20時

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