シンジュクNo.2ホスト系女子。【伊弉冉一二三】

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いつもの喫茶店。

小生は例外なく、いつも通り入稿し、担当の者と様々な事を語っていました。

例えば、置き忘れた携帯電話を発見していたので
それについて色々と探偵の真似事をしたり、いつも通り勝手な物語を作ったり。


それから少し気分転換にと、街を散歩がてら人間観察をしていたんです。


そして、たどり行き着いた末にいたのは、
ごく普通に男物のスーツを着こなした、独り言を呟く百合のごときまこと麗しき女性......



『嘘？』


「いやですねぇ、事実ですよ」


『えぇ、、嘘だと思ったのに......というか、最後は紛れもなく嘘だったじゃん』

私がそう言うと、目を細めてくすりと笑う彼。
この感じ、懐かしい。


「相変わらずの謙遜癖ですね。最後まで本音ですよ？」

『あはは、このおだて上手......って、ん？』



"置き忘れた携帯電話"？


『そっ、その携帯電話、どこで見たの！？』


「え？......なぜそこに食いつくんです？」


『ひふみ......じゃなかった、友人が今日、スマホを落としたの。それも恐らく、シブヤで』


もしかして、もしかするかも。

そう思いながら幻太郎に期待の眼差しを向けていると、彼の目線が私の隣をすり抜ける。


「一二三、と言いました？それはもしや、Aの後ろにいるホストのことです？」


......えっ。


『う、わっ！？』

その刹那、一二三の腕が後ろから回される。

優しい香水の香りがふわりと漂い、いやに顔が熱くなるのを感じる。


落ち着け、私。彼は人気ホスト。こんなのリップサービス......いや、私は同業だけど。



「彼女とはどういった仲で？シブヤディビジョンの夢野センセ」

「それはこちらの台詞ですねぇ......」


冷や汗をかく私を置き去りにして、二人の間はなぜか不穏な空気に。

何これ、ディビジョンが違うとこんなに険悪なの？


「小生の彼女から離れていただけますか？」

「っ！？」


ぐい、と腕を軽く引かれ、幻太郎の方へよろける。

「Aちゃん、本当に？」と不安そうに一二三の瞳が揺れた。
めっちゃ変な誤解生んでる！！


『ちょ、違う違う、それ嘘だから！幻太郎は友人だよ』

「なぜ隠すのです？もしやA、あの言葉は嘘だったのですか......よよよ」

『その話が全部嘘でしょ......』



呆れながら、やんわりと掴まれた腕を引き離す。

というか、結局何の話してたんだっけ？







「っ......」





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