13 ページ15
あれから数日。
「こいくん指名で!」
『ありがとう、小鳥ちゃん。一緒に、最高の夜を過ごそうね』
身の上を明かしたにも関わらず、私は今まで通り
こうして働くことができている。
どうやら本当に、全てを伏せてくれているらしい。
『......あれ?小鳥ちゃん、香水変えた?』
「えっ、こいくん流石〜!そうなの、いつも使ってるブランドがねー」
嬉しそうに頬を赤らめる女性。
ここに来る客は、概ねストレス発散だったり、気分転換等が多い。
が、まれにホス狂いという、本気で推しホストに貢ぐ子がいる。
そういった客を相手すると、いつも罪悪感に駆られる。
____騙して、ごめんなさい
・
「なるほどね」
平日、昼すぎ。シブヤの駅前通りにある子洒落たカフェ。
うんうんと頷きながらマドラーを指で弄ぶ一二三を、ぼんやりと見つめる。
「別にあくまでも仕事な訳だし、そこまで干渉しなくてもいいんじゃないかな」
ここ最近は、仕事が終わった後の睡眠を挟むと、高確率で彼とお茶をしている。
色々と気にかけてくれているのか、はたまた過保護なのか、それとも何か別の目的があるのかはわからないけれど。
まぁ、元々一人でいることはあまり向いていない性分だ。
私のことをよく知っている、数少ない人物でもあるわけだし。
少なくとも、何かと助かっているのは事実。
そんなわけで、特に誘いを断ることもなく
こうして会っては何てことない話をしたり。
「なあ、モデルとかかな?あの二人」
「え?うっわ、かっこいい」
「あれ?俺雑誌で見たことあるかも」
......正直、シンジュクでは度々ドがつく程の大きなポスターに載ったりすることもある。
特に一二三に至っては、D.R.B優勝経験あり。宝石級美形。夜の街の王。
地元では、隠れるに隠れられないのである。
そのため、こうして別のディビジョンに溶け込んでプライベートを過ごしている。
念のため、私は男装して。
『......一二三、噂されてない?』
「いや、Aちゃんのことじゃないかな」
『はは、それはないと思......』
「あ、あの!もしかして、麻天狼のGIGOLOさんですか?」
ですよね......!
「僕のことを知っているのかい?」
話しかけてきた女の子に、美しい営業スマイルを返す一二三。
すると、隣にいる彼氏らしき人がバッと私に顔を向ける。
「ってことは、隣にいるのはやっぱりCoyさん......!?」
『え』
いやいや。
シブヤにいる男で私を知っているなんて、どんなマニアだ。
・
479人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ヒプノシスマイク」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あかつき(プロフ) - ぽぴらさん» わー!!お返事遅くなってすいません。。えっ!びっくりです!笑嬉しいです…!笑あとこいちゃんめっちゃかわいかたかっこいいです、、、。 楽しみにしてます〜〜!! (2020年4月25日 21時) (レス) id: 15e64c1d44 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぴら(プロフ) - あかつきさん» コメントありがとうございます。拙い文ですが、そんな風に言っていただけてとても光栄です!実はあかつきさんの作品、閲覧させていただいてます笑 乱数の妹ちゃん、凄くかわいいなぁと思いながら読んでます(''*) 更新頑張ります〜! (2020年4月11日 2時) (レス) id: 7328f92863 (このIDを非表示/違反報告)
あかつき(プロフ) - 感想失礼します。すごく面白いです。一つ一つの描写だったりが上手で読んでいて楽しいです。私も小説を書いているのですが、文才が追い付かず、本当に尊敬しています。これからも更新楽しみにしています。 (2020年4月11日 1時) (レス) id: 15e64c1d44 (このIDを非表示/違反報告)
梓 桜 。(プロフ) - お忙しい中わざわざお返事頂けるなんて恐縮です( ; ; )このご時世ですから落ち着かれている時にゆっくり更新で構いません!更新ありがとうございます。゚(゚´▽`゚)゚。 (2020年4月4日 2時) (レス) id: f31cec74f3 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぴら(プロフ) - 梓 桜 。さん» コメントありがとうございます。そんなふうに言っていただけて嬉しい限りです(´˘`*) 遅筆ですが、気長に更新待ってくださるとありがたいです、これからもよろしくお願いします´_ _) (2020年4月3日 13時) (レス) id: d4ba406946 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ