女王97 ページ49
月島「リーダーが拉致されたってどういうことっ!?」
山口「ツッキー!」
僕よりも先に着いていた山口は「これ!」と言って1枚の紙と写真を僕に見せてきた。
ざわり、と自分の中で殺気がふくれあがったのがわかった。
そこに写るリーダーは椅子に括りつけれ、猿轡を噛まされたまま、ぐったりと目を閉ざしている。
そして手紙に書かれている言葉はたった一言。
『預かっている』という文字だけが書かれていた。
赤葦「紅葉組かと思ったけれど、それだとあまりにも行動が早すぎる」
月島「……こちらが情報を抜き取ったことがもしバレていたら紅葉組の可能性も拭いきれませんよね」
恐らく朝一の電車で来たであろう赤葦さんは「それもそうだけど」と視線を横に滑らせた。
「……俺がそんなミスすると思う……?」
赤葦さんの視線を追って視線を横へと向ければ、そこには猫背でパソコンをカタカタと打ち込む少年の声が響いた。
月島「……孤爪さんも来てたんですか」
孤爪「……リーダーから昨晩召集された。あと、こっちがハッキングかけたことはバレてないよ。今もう一度向こうのシステムに入り込んだけど、探った形跡がない」
と、目にも止まらぬ速さでキーボードを打ち続ける孤爪さん。
月島「……つまり、紅葉組ではないほかの組織がリーダーを?」
赤葦「考えられるのは3つ。1つ目はリーダーのカリスマ性に魅せられたストーカー」
そう言って赤葦さんは人差し指を立てた。
赤葦「けれどこれはリーダーが簡単に拉致られていることやわざわざこちらに写真を送り付けている点からほぼゼロの可能性と考えていいと思う。次、2つ目」
赤葦さんは今度は中指を立てる。
赤葦「リーダーにかつて潰された人間、もしくはチームによる怨恨。そして3つ目が……」
静かに3本目である薬指を上げた赤葦さんの声がやけに響いて聞こえた。
赤葦「俺達と同じように、紅葉組が動くという情報を掴んだ紅葉組の敵対グループ。可能性でいえばこれが1番高いと思う」
そんな赤葦さんの言葉を補うように孤爪さんが
孤爪「……紅葉組のデジタルデータシステムはかなりガバガバだからほかの所でも簡単に入り込めると思う。今その可能性を視野に入れて敵対組織のそれぞれのシステムにハッキング仕掛けてる」
と、言葉を続けた。
そこに山口も「俺は各防犯カメラ映像をチェックしてきます!」と自分のPC立ち上げていた。
月島(……それにしても……)
いくら女の子と言えど、ここらの猛者を簡単に潰してきたリーダーがそんなにあっさりと捕まるだろうか?
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星屑(プロフ) - おしるこぉさん» コメントありがとうございます!そうです、彼こそがシスコンを極めた勘違い体質の兄です(キリッ) (2019年2月27日 22時) (レス) id: 64e74c6b8a (このIDを非表示/違反報告)
おしるこぉ - 優人さん…………シスコンじゃねぇかッッッ(真顔) (2019年1月24日 19時) (レス) id: 4bcefc2029 (このIDを非表示/違反報告)
星屑(プロフ) - ☆AZUSA☆さん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けたなら書き手としても嬉しい限りです。これからもどんどん勘違いが加速していきます(笑) (2018年11月24日 11時) (レス) id: 64e74c6b8a (このIDを非表示/違反報告)
☆AZUSA☆(プロフ) - 初コメです!兄妹のやり取りがア○ジャッシュみたいで面白いです笑 (2018年11月7日 20時) (レス) id: a8b54384e2 (このIDを非表示/違反報告)
星屑(プロフ) - 後ろのメリーさんさん» 応援の言葉ありがとうございます!毎日待ち遠しく思ってくださるなんて……!書き手としてはこの上なく嬉しいです!たくさん更新できるように頑張ります! (2018年9月29日 21時) (レス) id: 64e74c6b8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:星屑 | 作成日時:2018年3月27日 20時