【HQ】頼むから話を聞いてくれ2【月島蛍】

女王89 ページ41

夢主side

清水「マネージャーとか、興味ある？」

練習試合の終わった帰り道、マネージャーの清水潔子先輩にそう尋ねられた。
別に清水先輩の隣にいた事に深い意味はなく、あのスポーツ刈りの先輩が怖かったので後ろの方に来たらこの美人な先輩の隣に来てしまったのだ。

私なんかが隣を歩いて申し訳ないほどの美人な先輩。
キラキラオーラからして同じ人間に思えない。

そんな先輩にマネージャーに興味があるか否かを尋ねられ、正直私は困惑していた。

興味はあるにはあるが、私は不本意ではあれどブルーアイという不良グループのリーダーなのだ。

そんな私が蛍(ブルーアイ参謀)や忠(情報収集者)のいるバレー部に入部したらどうなるか。

公式試合だけではなく、きっと練習試合にもギャラリーは不良で埋まることになるだろう。
素行はそれなりによくても不良であることはに変わりはないし。
そんな中、不良に免疫がないであろう一般生徒の先輩方が普通にスポーツをプレイできるだろうか。
いや無理だろう。

A「……きっと、(ギャラリーが)邪魔になってしまうので。」
清水「えっ……」

ガラの悪い面々がズラリと体育館のギャラリーを占めている所を想像すると、ある意味地獄絵図だ。

A「……あと、昨日は兄のことでご迷惑おかけしてすみませんでした。」

そして、そのマネージャー話を逸らすついでに昨日のことに対しての謝罪を言葉にした。
きっと目の前であんなことになってバレー部の方々も混乱したに違いない。
忠なんて思いっきりリーダーとか云々言っちゃってたみたいだし。

A「(もう解決したので)二度と迷惑はおかけしませんので。」

兄とのすれ違いは解けたし、とりあえずは問題は解決したと見ていいはず。
あとは兄が隙あらば東京に連れていこうとするのを阻止すればなんとかなるだろう。

清水「また、見に来ていいから。」

ふいに清水先輩がそう告げた。

A「えっ……？でも私は部外者ですし……」

それは私が入部できないことを気にしての言葉かもしれない。

清水「たまに手伝ってくれるだけでいいから。いつでも来て。きっと皆歓迎してくれるから……その、1人が辛い時とかあったら……」

事情なんて大して話してもいない。きっと清水先輩だってほとんど知らない。
それなのに、そんな風に優しい言葉を貰ってしまうなんて。

A「ありがと……ございます……」

柄にも無く、嬉しいと思ってしまった。

A(やっぱり清水先輩は聖女かなにかだ……)

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