女王83 ページ35
夢主side
ひとまず、その場では楠木をなだめ、兄を説得し、ちょっと離れたファミレスでちゃんと話し合うことになった。
移動中の空気の重さはほんとに……もう、メンタルチキンな私にはとてもきつかった。
月島「……とりあえず、楠木さん。今回の件はリーダーの命令無視ということで処罰対象ですから。」
A「……別に、未遂だし……」
楠木「処罰は受ける覚悟はあります。……それでも、こいつだけは許せないんです……！」
キッときつく兄を睨みつける楠木に、兄はなぜそんな目を向けられるのか分からないというふうに首をひねっている。
山口「……あの、お兄さんはどうしてリーダーを家に連れ戻したいんですか？」
ふいにそう尋ねた忠に、楠木は「そんなの決まってるじゃないですか！外聞の問題ですよ！やつらはそれだけで姉貴を縛ってきたんだ！」と勢いよく立ち上がって大声をあげた。
それを蛍が「周りに迷惑ですよ」とたしなめる。
優人「家に連れ戻す気なんてもとより無い。……Aと2人で暮らすようにずっと準備していたんだ。」
A「……え？」
突然の兄の告白に楠木も私も口を開けたまま、そちらを見やる。
A「……2人で？え？……どうして？」
優人「あのままあんな親の所にAを置いておけるわけないだろう！あの親の元じゃ『まともな人間になれない！』いいや、人間として扱われない！」
初めて見た兄が親を侮辱する姿。
そして、そのうちのセリフのひとつは私に兄が昨晩言ったものだった。
つまり、あのセリフは私に対する侮辱ではなく、『親に対する侮辱』だったということなのだろうか？
A「……なんで……」
兄はずっと出来損ないの私が嫌いだったのではないのか。
両親は兄だけを愛していたじゃないか。
それを、兄は捨てるというのだろうか。
優人「……Aを出来損ないだと罵り、育てることもしようとしなかったあいつらの代わりにAを育てたのは俺だ。あんな親から早く解放させたかった。」
珍しい雄弁な兄。そして、今まで思ってもいなかった兄の心情に私は何も言葉を発することご出来なかった。
楠木「じゃあなんで今まで姉貴を放ったらかしにした！！その間姉貴がどれほど苦しんだと思ってる！」
そんな私の代わりに掴みかかった楠木。
兄はそれに眉を寄せるものの、振りほどこうとはしなかった。
優人「ただのガキに何が出来る！」
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星屑(プロフ) - おしるこぉさん» コメントありがとうございます！そうです、彼こそがシスコンを極めた勘違い体質の兄です(キリッ) (2019年2月27日 22時) (
レス) id: 64e74c6b8a (このIDを非表示/違反報告)
おしるこぉ - 優人さん…………シスコンじゃねぇかｯｯｯ(真顔) (2019年1月24日 19時) (レス) id: 4bcefc2029 (このIDを非表示/違反報告)
星屑(プロフ) - ☆AZUSA☆さん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けたなら書き手としても嬉しい限りです。これからもどんどん勘違いが加速していきます(笑) (2018年11月24日 11時) (レス) id: 64e74c6b8a (このIDを非表示/違反報告)
☆AZUSA☆(プロフ) - 初コメです！兄妹のやり取りがア○ジャッシュみたいで面白いです笑 (2018年11月7日 20時) (レス) id: a8b54384e2 (このIDを非表示/違反報告)
星屑(プロフ) - 後ろのメリーさんさん» 応援の言葉ありがとうございます！毎日待ち遠しく思ってくださるなんて……！書き手としてはこの上なく嬉しいです！たくさん更新できるように頑張ります！ (2018年9月29日 21時) (レス) id: 64e74c6b8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星屑 | 作成日時：2018年3月27日 20時
