女王80 ページ32
楠木『姉貴、気をつけてください。お兄さん、校門の前でずっと待ち伏せてます。』
A「……了解。」
ワイヤレスイヤフォン型の無線に届いた音声に、手首に付けられているブレスレット型マイクで言葉を返す。
ちなみにこれらは何かあった時のためにブルーアイのメンバーが作ったオリジナルで、今、警察やSPの方々に技術提供を行っている。
高値で売れるのでブルーアイの収入はなかなかに潤った。
そんな装備をフルで使って成し遂げることはただ一つ。
兄から逃げる。
月島「A、裏から行こう。」
蛍のその提案に頷く。
山口「俺は校門から出てみます。」
A「……敬語……」
山口「えっ、あ、校門から出てみるね……?」
未だ油断すると敬語になる忠に釘を刺す。そんな忠は念の為、先輩方と一緒に校門から出て、後々合流することになった。
A「迷惑かけて、ごめん。」
そう、謝罪の言葉をこぼすと2人は優しく笑って
月島「今更デショ。」
山口「俺達がやりたくてやってることだし。」
と、言葉を返した。
ちょっとまて。忠はともかく、蛍の今更って何!?
いつも以上に優しく笑っておいて「今更デショ」ってどういうこと!?
A(え、私そんなにいつも迷惑かけてるっけ……?)
なんて思っている間に話は進んでいき、
月島「……とりあえず、合流地点は最初の作戦通りA地点で。」
山口「わかったツッキー。じゃあ、また後で!」
と、忠が走り出し、それと同時に蛍も走り出した。
慌ててそれについて行くも、蛍が速い!!
お前ら運動部と万年帰宅部の体力を同じに考えないでよ!
すでに息が上がりそう。
A「……蛍、ちょっと、止まって……」
校門と正反対に位置するフェンスの綻びから向こうへと抜けようとしている蛍に制止をかける。
ここで一息つかないと、絶対この先も走れない。無理。
月島「リーダー。急がないとお兄さんがこっちにくる……」
そう蛍が言いかけたとき、
楠木『姉貴!月島さん!お兄さん移動!そちらへ向かっています!』
という慌てたような楠木の無線が入った。
月島「なっ……!?(リーダーはこれを予知して……!?)」
A「……わかった……」(※偶然)
何故裏から逃げようとしているのがバレたんだろう……
そんな疑問があるものの、まずは学校内から出なければ帰るに帰れないので、ひとまずフェンスの綻びから学校外へと出、無線で兄さんの位置を確認する。
そして、蛍に目配せをすれば蛍は頷きマイク越しに指示を飛ばした。
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星屑(プロフ) - おしるこぉさん» コメントありがとうございます!そうです、彼こそがシスコンを極めた勘違い体質の兄です(キリッ) (2019年2月27日 22時) (レス) id: 64e74c6b8a (このIDを非表示/違反報告)
おしるこぉ - 優人さん…………シスコンじゃねぇかッッッ(真顔) (2019年1月24日 19時) (レス) id: 4bcefc2029 (このIDを非表示/違反報告)
星屑(プロフ) - ☆AZUSA☆さん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けたなら書き手としても嬉しい限りです。これからもどんどん勘違いが加速していきます(笑) (2018年11月24日 11時) (レス) id: 64e74c6b8a (このIDを非表示/違反報告)
☆AZUSA☆(プロフ) - 初コメです!兄妹のやり取りがア○ジャッシュみたいで面白いです笑 (2018年11月7日 20時) (レス) id: a8b54384e2 (このIDを非表示/違反報告)
星屑(プロフ) - 後ろのメリーさんさん» 応援の言葉ありがとうございます!毎日待ち遠しく思ってくださるなんて……!書き手としてはこの上なく嬉しいです!たくさん更新できるように頑張ります! (2018年9月29日 21時) (レス) id: 64e74c6b8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:星屑 | 作成日時:2018年3月27日 20時