遠い日の約束 Part2 (ページ7)

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#55 一昼夜ページ7

数日後、龍馬達は夜陰に乗じて琵琶湖の西側を目指していた。瓦落多(ガラクタ)拾いのついでに桂が突き止めた情報によれば、新選組はすでに次の町へと移ったという。新人の強化合宿をしつつ、雷舞も開いているという。そこで、彼等は次の実験拠点があるとすればそこだと、睨んだ。

龍馬) ……遠いのぉ。その目的地はまだか？

高杉) 全くだ。こんなに遠いとは思わなかった。

桂) 頭ではわかっていましたが、琵琶湖って大きいですね。

慣れない場所で迷っていたせいで、彼等に疲れが押し寄せる。龍馬はいつもの元気はなかった。まだ一昼夜しか歩いていないと高杉。一昼夜と言うのは、丸一日。という意味だ。もし、休憩もなしに歩いていれば、当たり前だが、疲れも出るだろう。

桂) 晋作……私も辛い。何より、お腹が空きました。

高杉) 桂さん……すまん。

龍馬) だから、わしは言うたんじゃ。右の道じゃって。

龍馬の言葉に、オレ様の勘はよく当たる。と道を迷った男が言い訳をする。

龍馬) たった今迷った男に偉そうにされてものう。

桂) ああ、布団で寝たい。どこかに宿はないでしょうか？

こんな山中では宿もないだろう。龍馬はこんなときに弥太郎がいれば……とため息をつくように吐く。

弥太郎) 龍さん、ここにいるぜよ！

どこからともなく、弥太郎が現れた。