10話 ページ13
あれから数日経ち、僕は保健室でゾムからもらった画像を頼りにノートを写していた。
ピロンッ
『………？！』
通知は、ゾムから。
おい今授業中やろ何してんねん…！
…いや、まぁ僕もスマホ開いてノート写してるけど。
しんぺい先生が[紙のコピー代もバカにならないし別にええやろ]って言って内緒で許可した。
色々甘すぎんか……
『(とりあえず、内容…)』
zm〈みんなが、ノートとる俺のこと煽っていじってくる…Aのこと言わんようにしとるけど、もう俺口滑らしそうや〉
…わざわざ、気を使ってくれた結果なのだろうか。失礼だが…何というか、拍子抜けしてしまった。
〈別に、ゾムの友達が減らないなら隠しまでしなくてええよ。〉
既読はついたがそこからは音沙汰なかった。
先生に見つかったりしてないとええけど
その日の夜、頭からすっかり抜け落ちていたゾムから連絡が来た。
いつものノート写真と、一言
zm〈あの後素直に吐いてもうたわ、すまん…トントンが、連絡先交換したいって言いよるんやけどどうする？〉
〈大丈夫やって、ありがとう。僕の連絡先送っといてくれん？〉
ゾムは、とても気づかいひとつひとつがどんな小さなことでも丁寧で優しい。
以前に勉強を教えてくれた時も、やはり気のせいではなかったんだと思った。
数分して、また通知が届いた。
見覚えのない、豚のアイコン
tn〈夜分遅くにすまん。桃瀬やで〉
〈こちらこそ、ゾムくんを借りてしまって申し訳ないです。〉
思わず他人行儀になる言葉。連日話していてすっかり打ち解けたゾムとの温度差に苦笑してしまう。
tn〈不謹慎かもしれんけどむしろゾムの授業態度が改善されて助かってます…〉
tn〈都合つくようであれば、今度昼食一緒に食べへんか〉
あ、なんか、“無理”かもしれない。血の気が薄く引いた気がした。
〈お昼食べないし、学校に来るのも約束できません。〉
内心ひどく焦りながら返事をする。
tn〈せやんなぁ…また誘わせて。前みたいな話をするつもりはないってのは知っといてくれ〉
〈ご縁があれば〉
返事の送信完了もろくに確認せずに電源を落として枕に顔を埋める。
これが精いっぱいの対応、防衛本能なのだ。
情緒も安定しないし最悪相手にもっとひどい態度で返していただろう。
“こんな奴と関わるとろくなことにならない”
…誰に言われたんやっけ。まぁいいや、寝てしまおう
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流星(プロフ) - ミジンコのハルさん» 短い間でしたが僕にも経験がありますので、気持ちがわかるとは言いませんが、いたずらに傷つけないよう心掛けていたのでそういってもらえてこちらもほっとします。お話としてはペースが速まることもあると思いますが、ハル様は焦らずゆっくりしてくださいね。 (2022年10月8日 19時) (
レス) id: 9f0773db2a (このIDを非表示/違反報告)
ミジンコのハル(プロフ) - 初コメ失礼します！私も保健室登校している者なんですが、凄いお話に共感できて読んでいて凄い楽しくて救われてるような気がします。教室に入れる「いつか」が頑張っても来ないっていう所が凄い共感でホントに好きです…これからも更新頑張ってください！次が楽しみです (2022年10月8日 17時) (レス) @page7 id: 00a42c556d (このIDを非表示/違反報告)
流星(プロフ) - 光さん» ありがとうございます！今のところ投稿頻度は安定していますが、気は抜けないので頑張っていきたいです。 (2022年10月7日 11時) (レス) id: 9f0773db2a (このIDを非表示/違反報告)
光 - 続き楽しみです！！ (2022年10月7日 9時) (レス) @page6 id: 1eb1862fc3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：流星 | 作成日時：2022年10月4日 23時
