少年の内に眠るモノ。宇宙編(イナギャラ)(続編)(完結) (ページ7)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:557 hit

57話ページ7

「なんだよ、これ」

鉄角が、顔を引き攣らせる。怪我。彼のトラウマの一因である。

「…ソウルを使っただけで、こんなのになっちゃうのか？」

「いえ、皆さんの場合は恐らく大丈夫かと思われますが…」

「元からこんな怪我をしてたってことはあり得る？」

「もし以前からこの状態だったならば、彼は走る事すら叶わないでしょう」

ベンチが、静まり返った。皆、唖然としている。

「一応、俺たちも延長戦に出れるみたいだけど」

さっきまで試合に出ていた、リュゲル。疲労こそ見せているが、まだ動けない訳ではないようだ。

「控室に連れていこう」

「神童さん…」

「お前たちにも、万が一のためにベンチにいてもらう。それに、こんな状態の橋田をベンチに座らせる訳にはいかない」

「…まあ、その足を見ただけで身震いしてしまいそうだしねぇ」

控室。

「よし、行こう、みんな。宇宙のために勝つぞ！」

松風の声に合わせ、仲間が呼応し、控室を出た。