第４話『人外事件』 ページ4
会議だ。やっと、KZの皆んなにこの事を話せる。
あの夜から、訳の分からない恐怖と戦ってきた私にとって、ただ一つの救い。
相変わらず彼女はクスクス、と私を嘲笑うかの如く笑う。
どうやら彼女は私にだけしか、見えないらしい。
私が見えちゃう体質とか、本当に不幸でしかない。
「諸君！！揃ったな」
「早く始めてくれ」
若武と上杉君のいつもの会話を聞きながら、スッと手を挙げた。
「なんだアーヤ？」
「実は……ちょっと皆んなに協力して欲し」
「事件か！？」
私の話をを遮り、テンションがどんどん上がっていく若武を、小塚君が落ち着かせた。
「うん、事件の依頼なんだけど」
「ちょっと、いや、かなり特殊で」
「？でも、事件なんだろ？」
相手が人外なんだよ。
雪女の事件なんて言っても、信じてくれるかなぁ。
思いつつ、話をする。
「信じられないかもしれないけど、実は」
「ちょっとお話しいいかしら」
氷のように冷たい手が、私の手を握った。
「っっ！？」
私に触れられるの！？
どうやら私に触れる事によって、頑張れば姿が見えるようになるらしい。
彼女曰く、物凄い疲労感に襲われるそうだが。
「アヤちゃんを通して言うわね」
急に目の前に現れた事により、大分放心状態だ。
だが、彼女は続ける。
「私、雪女なの。依頼主は私よ」
「……はぁ？」
間抜けな声が、次々と上がった。
分かるよ。私もそうだもん。
「ふふ、だからね。私の事件を解決してくれない？」
暫く皆んな、彼女の存在を凝視していた。
「私。殺されちゃったの」
「でも、記憶がないから分からないわ」
「だから手伝って欲しいの」
そんな皆んなを気にもせず、淡々と喋る。
自己中心的な所は、多分一生変わらないと思う。
「ねぇ、聞こえてるの？」
少し不機嫌になりながら、呟き私の手から離した。
いずれ、朽ちて汚れて逢えるなら
今から行くよ。貴方の魂を喰らって。
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白波心(プロフ) - S・Sさん» ありがとうございます。此方こそ貴方様のお時間を割いてまで読んで頂き有難うございました。コメントのお返事が遅くなり申し訳ございません。 (2020年4月14日 21時) (
レス) id: 4a6ed9dad0 (このIDを非表示/違反報告)
S・S - ジーンときてしまいました……すごく面白かったです！楽しい時間をありがとうございました！ (2020年4月13日 14時) (レス) id: 0df261d861 (このIDを非表示/違反報告)
白波心(プロフ) - 46さん» ありがとうございます。言葉選びは慎重に行なっていたので、褒められて嬉しいです。返信が遅くなり申し訳ございません。 (2019年11月16日 13時) (レス) id: 4a6ed9dad0 (このIDを非表示/違反報告)
46(プロフ) - めっちゃ感動しました！言葉の選び方など天才的です・・・ (2019年11月2日 12時) (レス) id: 06efcbf80c (このIDを非表示/違反報告)
風野咲夜 - 番外編も面白かったよ！ (2019年6月10日 17時) (レス) id: ef27f9c60f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白波心 | 作成日時：2019年5月25日 23時
