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馬鹿なことをしたかもしれない。
そう思ったのは最初に溢れんばかりの構成員が立ちはだかった時のみだった。
ひとりひとりはそこまで強くないし、囲まれたとしても相手が多すぎるから簡単に撹乱できる。
「ぉらっ!!」
「わああああああい!!!あはははは!!!」
「十四松!前に出過ぎるな!!」
兄弟が片っ端から敵を薙ぎ倒していく様を横目で見ながら、向かってくる敵を蹴りあげるチョロ松。
と、意識が兄弟達に行き過ぎていたのか、死角から突然敵が飛び出して来る。
避けようと身を翻そうとしたその瞬間、遠くでパァン、と銃声が響き、チョロ松に襲いかかろうとしていた敵の頭を銃弾が貫いた。
《ちょっとチョロ松兄さん!!周り見て!!》
「そんな事言ったって死角から来たんだから分からないだろ」
《一松兄さんがカバーし切れなくなるでしょ!?ただでさえ十四松兄さんで手一杯なのに!!》
《……トド松、うるさい。俺は平気だし》
インカムから流れる音声を右から左へと受け流しつつ、チョロ松はまた周りを見渡した。
……うん、気のせいじゃない。
「トド松」
《何だよライジングシコースキー!!》
「今突っ込んでる暇ないから。全員に音声繋げて」
《はぁ……?》
文句を垂れながらも、トド松はチョロ松の言った通り全員に音声を繋げる。
戦闘中だからなのだろうか、普段とは全く雰囲気の違う兄にトド松も強くは言えなかった。
「聞こえる?」
一応確認のために聞くと、兄弟全員から肯定の声が帰ってくる。
それを敵を蹴りながら聞くと、チョロ松はその場から大きく跳躍して少し高台へと着地した。
そこから、ざっと今の戦況を見渡してみる。
「いい?よく聞いてね。まず最初に、これはあくまで仮定でしかないから完全に信じ込まないこと」
《いいからとっとと本題言っちゃってよ〜》
「いいから聞け!
……ここにいる雑魚どもは真面目に相手しない方がいい」
《それは何故だ?》
「多分、こいつらはこっちの疲弊待ち。
こいつらの他に、例のアレがここにいる」
“例のアレ”
チョロ松がそう口にした時、誰かの息の呑む音がした。
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サクラ - とてもよかったです!その後話が欲しいです! (2017年12月25日 11時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - おそ松と結ばれて欲しかった… (2017年12月25日 11時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
yuttan(プロフ) - 完結おめでとうございます!!ななし2号さんの作品好きです!だいぶ遅れてしまいましたが…本当におめでとうございます! (2016年7月27日 20時) (レス) id: a64d1d73ae (このIDを非表示/違反報告)
ななし2号(プロフ) - 丸餅さん» コメントありがとうございます!更新滞ることもありましたが最後まで読んでいただけて嬉しいです!番外編書き終わり次第新作も出していこうと思うのでよろしくお願いします! (2016年6月9日 7時) (レス) id: 8f8356ff37 (このIDを非表示/違反報告)
丸餅(プロフ) - 完結おめでとうございます!!ほんともう素敵すぎて…!!新作も楽しみにしてます!丸餅でしたー!! (2016年6月5日 16時) (レス) id: 404e0cc21b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ななし x他2人 | 作成日時:2016年3月8日 13時