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《……随分と、変わってしまったのね》
遠くで、そんな声が響いた。
それは、どこかで聞いたことのあるような懐かしい声色。
《それでも、貴女は────だから》
ノイズがかかったように聞こえない言葉は、ちゃんと聞かなくてはならないような気がして。
それでも、どうやっても聞き取れなかった。
『……夢、』
ぽつりと呟いて、Aはその重い瞼を開いた。
額に手を当てながらむくりと体を起こすと、突然急激な頭痛に襲われた。
いわゆる、二日酔い。
『……あー、もう』
おそ松に無理やり飲まされた後の記憶が無く、しかし何があったのかはAを襲うその激しい頭痛が物語っていた。
Aだって、もう少し心の準備というものをさせて欲しかった。
初めて飲む酒。
酒は飲んでも飲まれるな、という言葉をよく聞いたから少し怖かったのだ。
ああそうですよ。私はビビリですよ。
Aは誰に言うでもなく心の中でぼやき、よいしょ、と痛む頭を庇いながらベッドから降りた。
そして、部屋から出ようと扉に手を掛けたときだった。
『……?』
部屋の外……と言うよりも、このアジト全体に対して、微かな違和感を覚えた。
何かが、違うような。
Aは身だしなみを整えないまま、ガチャリと扉を開いていつも食事をしている部屋に慌ただしく踏み入った。
『……うそ』
「どうしたの?そんなに慌てて……ご飯もうすぐできるから、ほら、着替えてきて」
などという呆れた声がAにかかる……ことはなく。
ただ、目の前にはまっさらなテーブルと、それとセットの六つの椅子、更に後から付け足された事が安易にわかる他のものとは種類の違う椅子が一つ並べられていた。
その一つだけが、どうにも仲間はずれにされているように見えて。
『……っ、ばっかじゃないの……!!』
Aは素早く着替えて、昨日おそ松に渡された武器を手に取る。
それと同時に、何とも言えない昂りがAを駆け巡る。
『今はダメ……っ』
震える手首を握って、Aはまだ陽の昇っていない空の下を全力で駆けた。
《……随分と、変わってしまったのね》
どこかで、そんな声が響いた。
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サクラ - とてもよかったです!その後話が欲しいです! (2017年12月25日 11時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - おそ松と結ばれて欲しかった… (2017年12月25日 11時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
yuttan(プロフ) - 完結おめでとうございます!!ななし2号さんの作品好きです!だいぶ遅れてしまいましたが…本当におめでとうございます! (2016年7月27日 20時) (レス) id: a64d1d73ae (このIDを非表示/違反報告)
ななし2号(プロフ) - 丸餅さん» コメントありがとうございます!更新滞ることもありましたが最後まで読んでいただけて嬉しいです!番外編書き終わり次第新作も出していこうと思うのでよろしくお願いします! (2016年6月9日 7時) (レス) id: 8f8356ff37 (このIDを非表示/違反報告)
丸餅(プロフ) - 完結おめでとうございます!!ほんともう素敵すぎて…!!新作も楽しみにしてます!丸餅でしたー!! (2016年6月5日 16時) (レス) id: 404e0cc21b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ななし x他2人 | 作成日時:2016年3月8日 13時