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「……大惨事じゃん……」
おそ松に無理やり酒を飲まされたAに便乗して、トド松やら十四松やらが酒を飲み始めてから約数10分。
チョロ松は目の前の惨事を、深くため息をつきながら見下ろした。
一松は空の酒瓶を抱きしめながらカラ松を蹴飛ばし、十四松はその蹴飛ばされているカラ松の腹の上に足を乗せていて、トド松は空のグラスを片手に机に頬を付けて寝ている。
その4人を見やった後、チョロ松は残る2人へと目線を向けた。
「……」
その目線の先には、一松のように空の一升瓶を抱えて眠るAと、そのAを抱きしめるように腕を回して寝ているおそ松の姿があった。
それを見たチョロ松は心の奥で少しもや、としたものを感じ、それを吐き出すように細く息を吐いた。
「ダメなんだってば……」
それが一体、何に対して咎めているのかチョロ松自身にもよく分かっていなかったが、それでもチョロ松は自分の気持ちに蓋をした。
別にその感情を抱くのは初めての事では無かったし、例えその対象が兄弟と被っていたとしても諦めたことはなかった。
なら、何で。
その時、ふとチョロ松の頭をあの書類がよぎった。
「……違う、この子は人間だよ」
何に対する言い訳なのだろうか。
どうして彼女をそう思ってしまうのだろうか。
あの書類を見たから知っているはずなんだ。
この子は人間だから。
部屋に充満する酒の匂いに当てられたのか。
理由は分からないが、チョロ松の思考回路は次第にぐちゃぐちゃに絡まっていく。
ふと時計に目をやると、時刻はAM1:34を指していた。
「……ダメだ、こんなんじゃ」
彼女を守るんだろ。
今度こそ、守り抜くって誓ったんだろ。
チョロ松は自分に言い聞かせるように呟いて、そこらで眠っている兄弟たちを叩き起した。
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サクラ - とてもよかったです!その後話が欲しいです! (2017年12月25日 11時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - おそ松と結ばれて欲しかった… (2017年12月25日 11時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
yuttan(プロフ) - 完結おめでとうございます!!ななし2号さんの作品好きです!だいぶ遅れてしまいましたが…本当におめでとうございます! (2016年7月27日 20時) (レス) id: a64d1d73ae (このIDを非表示/違反報告)
ななし2号(プロフ) - 丸餅さん» コメントありがとうございます!更新滞ることもありましたが最後まで読んでいただけて嬉しいです!番外編書き終わり次第新作も出していこうと思うのでよろしくお願いします! (2016年6月9日 7時) (レス) id: 8f8356ff37 (このIDを非表示/違反報告)
丸餅(プロフ) - 完結おめでとうございます!!ほんともう素敵すぎて…!!新作も楽しみにしてます!丸餅でしたー!! (2016年6月5日 16時) (レス) id: 404e0cc21b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ななし x他2人 | 作成日時:2016年3月8日 13時