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一言で言おう。


『……おいしい』


口の中でほろりと解ける肉から溢れる肉汁と絡み合った野菜の甘みがふんわりと広がり、少し辛味の効いたソースの香りが鼻からすうっと抜けていく。

噛めば噛むほど口内を侵食していく旨味をねっとりと舌で感じるたびに、本当に十四松が作ったのかとAは目を白黒させた。


「美味しいっすか!?」

『うん。おいしい……』

「へへー!!」


まるでグルメ系小説のような表現が似合う程の料理を作りだした十四松は、Aに褒められると少し頬を赤く染めて笑った。

ただ、一度も料理をしたことのないAにとっては女子力的な意味で負けているのだが。


「さーて、酒でも呑むか!」

「はぁ!?何言ってんのこの長男!!明日仕事だろ!?」

『……馬鹿?』

「まぁそうカタイこと言うなって!パーッとやろうぜ、パーッと!」


突然おそ松が声を上げたかと思えば、いつの間にやらおそ松の手には大吟醸の一升瓶が握られている。

そして、チョロ松やトド松、Aの制止も聞かずに瓶の蓋を開け、そのまま勝手にAのコップになみなみと酒を注いだ。


『ちょっ……私お酒飲んだことない……!』

「マジで!?じゃあこの機会に飲もうぜ!」

『いや、だから……んぐっ!?』


半ば強引にコップから酒を流し込まれたAは、むせつつもゴクリ、と酒を飲み下した。

舌がピリピリするような初めての感覚に目がちかちかする。

そして、徐々に体の内側から熱くなってくるような気がして、頭がふわふわするような感覚に襲われる。


「Aちゃん……大丈夫?」

『う……らいじょうぶ……』

「ダメだこれ」


呂律が回らないし、まともな思考回路じゃない。

誰がどう見てもAはたった一口で酔ってしまったと分かるのだが、それでもおそ松はAに酒を飲ませ続けた。


「旨いだろ?な?」

『うまい〜!』


余りにもAが楽しそうに飲むものだから、無理矢理でも止めようとしていたチョロ松も躊躇い、頭を抱えた。

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設定タグ:おそ松さん , マフィア松 , ななし   
作品ジャンル:アニメ
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サクラ - とてもよかったです!その後話が欲しいです! (2017年12月25日 11時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - おそ松と結ばれて欲しかった… (2017年12月25日 11時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
yuttan(プロフ) - 完結おめでとうございます!!ななし2号さんの作品好きです!だいぶ遅れてしまいましたが…本当におめでとうございます! (2016年7月27日 20時) (レス) id: a64d1d73ae (このIDを非表示/違反報告)
ななし2号(プロフ) - 丸餅さん» コメントありがとうございます!更新滞ることもありましたが最後まで読んでいただけて嬉しいです!番外編書き終わり次第新作も出していこうと思うのでよろしくお願いします! (2016年6月9日 7時) (レス) id: 8f8356ff37 (このIDを非表示/違反報告)
丸餅(プロフ) - 完結おめでとうございます!!ほんともう素敵すぎて…!!新作も楽しみにしてます!丸餅でしたー!! (2016年6月5日 16時) (レス) id: 404e0cc21b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ななし x他2人 | 作成日時:2016年3月8日 13時

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