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Aの頬を叩いたのは意外にもカラ松で。
Aは何をされたのか分からずぼうっとした後、じんわりと頬に広がる熱に、キッとカラ松を睨みつけた。
『何すんのさ……!』
「……それだけは、自分で言ってはいけない」
『……っ』
自分で自分の存在を否定しないでくれ。
そう訴えるカラ松の眼は、酷く悲しい色を宿していた。
「おそ松の言ったとおり、俺達はAが自分のことをどんな風に評価してるかなんて知らない。
だが、どんなに自分が嫌いでも、自分で自分を否定してはダメだ」
存在を失うことは、何よりも辛いから。
カラ松はAの手を固く握り締めて、懇願する様に、苦しそうにそう言った。
Aはぽろぽろと涙を流しながら、その手を握り返す。
『……君たちは……優しすぎるや……』
へへ、と力無く笑ったA。
それを見て、周りの彼らも心做しか表情が柔らかくなった。
「……ねえね、Aちゃん!」
『ん?なに?』
そんなAに十四松が駆け寄り、そしてカラ松と繋いだままの手にそっと手を重ねると、にこりと優しく笑って、こう問うた。
「────────、───────?」
その問いに、Aは少し目を見開いて、そして少しの逡巡もなく花のように笑った。
『当たり前じゃん!!』
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サクラ - とてもよかったです!その後話が欲しいです! (2017年12月25日 11時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - おそ松と結ばれて欲しかった… (2017年12月25日 11時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
yuttan(プロフ) - 完結おめでとうございます!!ななし2号さんの作品好きです!だいぶ遅れてしまいましたが…本当におめでとうございます! (2016年7月27日 20時) (レス) id: a64d1d73ae (このIDを非表示/違反報告)
ななし2号(プロフ) - 丸餅さん» コメントありがとうございます!更新滞ることもありましたが最後まで読んでいただけて嬉しいです!番外編書き終わり次第新作も出していこうと思うのでよろしくお願いします! (2016年6月9日 7時) (レス) id: 8f8356ff37 (このIDを非表示/違反報告)
丸餅(プロフ) - 完結おめでとうございます!!ほんともう素敵すぎて…!!新作も楽しみにしてます!丸餅でしたー!! (2016年6月5日 16時) (レス) id: 404e0cc21b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ななし x他2人 | 作成日時:2016年3月8日 13時