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「うっし、じゃあまずは比較的簡単なナイフからな」
『……ナイフ……』
そう言いながら、Aはおそ松から手渡された小さめの投擲用のナイフを見つめた。
その刃は室内に煌々と光るLEDの光を受けて銀色に煌めく。その光に、Aは何故か背中がぞくりとした。
「これは投げるヤツだけど、そのまま切りつけてもいい。遠距離、近距離どっちでもできるタイプな。
俺らは全員使えるし、援護とかする時に投げたりして助けるからとりあえず好きな様に戦えばいい」
『ハイスペック過ぎない……?』
「まぁカリスマレジェンドだからな!!」
お前だけじゃねえよ……と、Aは口の中で呟いた後、少し乱暴に遠くに用意された的へと投げた。
その手を離れたナイフは鋭く的の真ん中へ突き刺さる……わけはなく、少し逸れた壁へと突き刺さった。
しかし、その壁はコンクリートで造られていて、そもそも刺さるわけがないのだが、まるで豆腐のようにそのナイフは壁を貫き、それを見たおそ松はヒュウ、と口笛を鳴らした。
Aは自分の手を見つめ、握ったり開いたりした後、壁に刺さったナイフを見て自分にこんな力があったのかと目を丸くした。
まるで、人じゃないみたいな力。
「ナイフは多分このままでもいんじゃね?俺らもカバーに入るし」
『まぁ君らに誤爆したらその体突き抜けることになるけどね』
「俺らが避けらんねぇと思ってんの?
……んで、だ。お前刀とかは無理っぽいし、拳銃でいいだろ」
なんで無理っぽいの、と尋ねれば「顔。」と真顔で即答されたAは、諦めておそ松から受け取った拳銃の引き金を引き、的へ向かって2、3発撃った。
その弾丸はしっかりと的の中心を捉え、真っ直ぐに貫いた。
『私、体術とか無理だと思うんだけど』
「いんや、実戦になりゃできるだろ」
『何の根拠があって……』
「んまぁ、大丈夫だって。この長男様が言うんだから当たり前だろ〜?」
そう言いながら、おそ松はAに手を振りながら立ち去った。
訓練とか言うからどんな事をするのかと思えば、とくに特別なことをするでもなく終了したため、Aは戸惑いを隠せないままナイフや拳銃を持って部屋へと向かった。
ただ少し、おそ松の言葉が引っ掛かったが。
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サクラ - とてもよかったです!その後話が欲しいです! (2017年12月25日 11時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - おそ松と結ばれて欲しかった… (2017年12月25日 11時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
yuttan(プロフ) - 完結おめでとうございます!!ななし2号さんの作品好きです!だいぶ遅れてしまいましたが…本当におめでとうございます! (2016年7月27日 20時) (レス) id: a64d1d73ae (このIDを非表示/違反報告)
ななし2号(プロフ) - 丸餅さん» コメントありがとうございます!更新滞ることもありましたが最後まで読んでいただけて嬉しいです!番外編書き終わり次第新作も出していこうと思うのでよろしくお願いします! (2016年6月9日 7時) (レス) id: 8f8356ff37 (このIDを非表示/違反報告)
丸餅(プロフ) - 完結おめでとうございます!!ほんともう素敵すぎて…!!新作も楽しみにしてます!丸餅でしたー!! (2016年6月5日 16時) (レス) id: 404e0cc21b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ななし x他2人 | 作成日時:2016年3月8日 13時