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過去編 6話 ページ29

為「うぅ……」

お兄ちゃんは、両目を抑えてその場に膝を着いた。

その時だった、兄ちゃんの雰囲気が変わった。

貴方「兄ちゃん?」

兄ちゃんは、暴漢から小刀を奪い取り、

お兄ちゃんが刺されたように一人ひとり目をさして行った。

貴方「兄ちゃん!!……やめて!!」

私の声は兄ちゃんには届かなかった。

いくら叫んでもいくら名前を呼んでも
何も反応しなかった。
そんな兄ちゃんが、私は恐ろしいと思った。

貴方「ん?……んン……!?……」

そんな時だった。
不意に背後から口元を布で抑えられた。

貴方「ん……ぁぁ……にい……ちゃ……たす……」

私の意識はここて途切れた。

最後に見たのは、兄ちゃんが暴漢を容赦なく
やっていた光景だった。

兄ちゃんも、家族も私が連れていかれて行かれているのにもかかわらず
誰も、助けてはくれなかった。


私は、この時思った

家族が兄ちゃんが嫌いになった。

5歳にして、連れ去られ、土方という苗字を捨てた。

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作者名:moca^^* | 作成日時:2019年10月17日 15時

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