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『っはぁ、』
危なかった、ほんとにギリギリだった。
バス停のところで肩で息をしながら荒くなった呼吸を整える。
私たちを降ろしたバスはあのあとすぐに走り出して、ぽつんとふたりバス停に残された私たち。
一気に疲れきった私とは対照的に、辰哉くんは呑気にあははと笑ってる。
「いやー危なかった。最近早起きだから眠くて眠くて」
『眠いならもうちょっと寝てから来ればいいのに』
「そしたらAと一緒に来れないじゃん」
だからそれが意味わかんないんだって。
へらへら笑ってる彼を見ながら、あのままバスに置いてくればよかったなんて思ってたら。
朝早くの通学路。
部活の朝練と思われる人たちがちょっと慌てたように坂を登って行く中で、さっきから私たちを追い越して行く数名がその目に私と辰哉くんを捉えて、
それからゆっくりと視線を下に移動させて、なんだかそわそわした感じの表情を浮かべてるのに気がついた。
なんだ？
覚えた違和感に、その視線に流されるように私も辰哉くんの顔に向けていた視線を下に下ろしていけば────、
っ、うわ、！！
さっきバスを降りる時に掴んだ彼の腕をそのまま握ってる私の手。
驚いて声を上げた後、ぱっとそれを離そうとしたら空を切るはずだった彼の手が何故だか私の手に戻ってきた。いや、なんで。
「すげーびっくりした顔してるけど、気付いてなかったの？笑」
『っ、わすれてたの、』
「へぇ、なんだ。Aが離さないから俺ちょっとドキドキしてたのに」
嘘つけ。全く動揺してなんかなかったくせに。
ふにゃりと笑った辰哉くんにそう心の中で悪態をついてみる。
というか気付いてたなら早く教えてよ、
ものすごい驚いた顔で私たちの横を通り過ぎて行ったさっきの人、たぶんあれを見て誤解したと思う。
ただでさえ最近、ふだん周りの声をほとんどシャットアウトしてる私にすら入ってくるくらい私たちの関係は噂にされてるのに。
これ以上その要因を増やしたら大変なことになる。
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こゆき(プロフ) - さゆさん» コメントありがとうございます…！更新頑張ります！！ (2020年11月29日 10時) (
レス) id: 7e9ebf3478 (このIDを非表示/違反報告)
さゆ(プロフ) - 楽しいです！更新楽しみにしてます(^^) (2020年11月26日 23時) (レス) id: 04307595de (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - (名前)ひなさん» いつもありがとうございます…！自己満の拙い作品ですが、好きだと言っていただけて本当に嬉しいです！さらに楽しんでいただけるよう、更新頑張ります…！ (2020年10月18日 0時) (レス) id: 7e9ebf3478 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ひな(プロフ) - うわあ新しい作品もめちゃめちゃきゅんきゅんします…！！ほんとにこゆきさんの小説好きすぎて…毎日見てます！！しぇあはうすの住人もハニーシュガーの誘惑も楽しみにしてます＾＾ (2020年10月12日 16時) (レス) id: cc80ef896f (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - さーたんさん» コメントありがとうございます…！描写とても考えながら書いているので、そのように言っていただけてとても嬉しいです！今後もよろしくお願いします…！ (2020年10月11日 21時) (レス) id: 7e9ebf3478 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こゆき
| 作成日時：2020年10月5日 23時
